コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.53 )
- 日時: 2015/11/21 15:08
- 名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)
参照600突破記念 ほのぼのおにごっこ
時刻はお昼過ぎ。
ウルフがシュガーの家でアップルパイをごちそうになって、椅子の上でうとうとしていたときだ。
静かな休日ーーそんな雰囲気はシュガーの声によって破られる。
「…ねえ、ねえっ!おにごっこしない!?」
「…おにごっこぉ?子供じゃあるまいし」
眠たいウルフは相手にしない。
シュガーもそのことを分かったのか、むう、と頬をふくらませ、
「いいもん。お城の兵士の人たちにウルフはシスコンのロリコンですよーって
いいふらしちゃうから」
「はぁ!?何だよ、それ!だいたい、オレはシスコンでもロリコンでもねぇ!」
「…いいふらすから」
ウルフの意見は完全無視。
おにごっこのために脅しまくる。
「んあー!分かったよ!やるよ!!」
耐えかねて、ウルフが頭をかきむしる。
シュガーはぱあぁっと顔を明るくし、手を叩いて喜んだ。
「やったー!じゃあ、ウルフが鬼だから!」
「は、おっま!?」
「よーい、どーん」
「ラユさん!?」
勝手にゲーム開始。
ラユの裏切りに歯切りをして、たったったーと遠ざかるシュガーを追いかけ始めた。
「とっとと終わらせよう…!」
◇◇◇
「はぁっはあっ!!…もう、大丈夫でしょ!」
膝に手をおき、肩で荒く息をはく。
「作戦その一!お花畑に隠れる作戦〜!」
人差し指を天に高く高くつきあげるが、すぐにむなしくなってひっこめる。
「しばらく、ここで隠れとこうかな」
◇◇◇
「くっそ、アイツどこ行きやがった!?」
家の裏へまわったかと思えば、裏に行ってみるもそこにあるのは花畑のみ。
「これじゃ、まるでかくれんぼじゃねぇーか…って、ん?」
花畑全体を見回して、その違和感に気づく。
太陽に反射してきらきら輝く何かがあるのだ。
「…ははーん。さては、花畑に隠れやがったか」
自分の勝利を確定して、ウルフは、にやりと笑った。
そして、ゆっくり、ゆっくりシュガーに近づいていくーー。
◇◇◇
「くぅー。すー。くぅー。すー。」
可愛らしい寝息をたてながら、シュガーは夢のなかに沈んでいた。
ウルフはそれをみて、『可愛い』と少しだけ思う自分がいることに驚いた。
最も、このときはまだ恋愛感情としてではなく、妹のような存在として思ったことだが。
「………さって、と」
つついてみても、反応なし。
どうやら深い眠りらしい。
「…ん、ふふ、こっちー…こっちだよ……鬼さん…」
小さく微笑を描いて笑うシュガーをみて、つられて笑顔になってしまう。
眠るシュガーを起こさないようにそっと抱き起こし、背中にかついで家まで戻った。
「おかえり。あらら、寝ちゃったかー」
のんびりとした声でお出迎え。
シュガーを起こさないよう、頷くだけで返事をかえし、近くのソファにそっとシュガーを寝かしておいた。
「んじゃ、そろそろオレ帰るわ。シュガーには、オレの勝ちって伝えといて」
「分かったよ、気を付けてね」
手をひらひらさせて家をでていくウルフを見送り、紅茶でひといき。
ーーシュガーが大声で目覚めるのは、まさにその直後であった。
◇◇◇◇
600超え!ありがとーございます。
これからもウルフとシュガーを暖かく見守りください。