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Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.60 )
日時: 2015/11/30 14:30
名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)

こんにちは、ぱすてるです!!←
今日学校休みなんですよ!わーいわーい!

参照700越え!ありがとうございます…!
これからもシュガーとウルフ温かーく見守りください。

彩さん>>お久しぶりです、がんばります!
◇◇◇
#27 試験管理人、フーラ

夜があけ、時間は午前九時を回る頃。
二人は、見上げるほど大きい扉の前にいた。

「これがーー『試験の扉』」

感嘆の吐息を漏らし、独り言のように言葉をつぶやくシュガー。

「これを通れば、試験が始まるんだよね?」

「ああ、そう言ってた。ーー行くか」

ちなみにラユは部屋で待機している。
ラユはシュガーと契約をしている精霊猫だ。『力』の試験では許されているものの、『心』の試験では入れないことになった。

受験は時間でくぎられているため、他の受験者もいない。
つまり、二人きり。

孤独感を味わいながらも、ウルフの問いかけに静かに頷く。

「ーー」

重い扉を開くと、そこにはーー。

◇◇◇

扉をウルフが開けると、眩い光が瞼を焼いた。
思わず目をつぶり、光が弱まるのを感じて目を開ければ、

「ーー真っ白」

どこまでも続く終わりのない『白』が空間を支配していた。
自分が地面にたっているという感覚すらもなく、空中をふわふわと漂っているような感じだ。

ウルフは、いなかった。
おそらく、今あの少年は自分と同じような空間にいるのだろう、と本能で感じ取った。
そしてここは、現実にはない幻想世界なのだろう、ということにも。

確かめるようにくるりと辺りを見回し、その存在に気づく。

「ーー」

白く短い艶やかな髪、雪のような白い肌、きらめく銀色の瞳、袖の長い白い服。
この空間にとけこんでしまいそうなほど、白だけでできた少女だった。
眠っているのか、白い椅子に腰かけて腕をくみ、静かな寝息をたてている。

「あの、ここは、試験なんですかーー?」

決して近くはない距離にきこえるように口にてを当てて大きく話す。
うとうと、と頭を揺らしていた少女はこちらの声が届いたのか、頭をあげた。

「んぁー、よく寝た!!なあに、あなた。受験者なの?」

伸びをしながら問いかけてくる少女に、慌てながら応える。

「は、はい!シュガーっていいます。…あの、あなたは」

「あたい?あたいの名前はフーラ。200年前に生まれた精霊で、今は試験管理人として働いてんのさ」

「に、にひゃ…!?」

驚きに目を白黒させるシュガーをみて大口を開けて笑い、

「そんなに驚かなくてもいいじゃん?まあ、どうでもいいんだけど」

素足でこちらに歩み寄るフーラ。
シュガーは緊張で体を固くしながらも、ジッと待った。

「んじゃあ、さっそくだけど、試験を始めようか」

フーラはシュガーの目の前で止まると、手を差し出した。
行動の意図が分からず、眉をよせると、フーラはその反応すらも面白いという風に、また笑う。

「あたいに触れると、試験が始まる。さあ」

フーラは手をずい、と差し出してくる。
戸惑いなからも、遠慮がちにその白く細い指に触れた。

また、あの光が再びシュガーを包み込み、空間は『白』から切り替わる。

シュガーの『心』の試験が、幕をあけた。