コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.72 )
日時: 2015/12/21 20:46
名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)

しばらく来れず、申し訳ありません。

彩さん>>アンケート、ありがとうございます!これからの参考にさせていただきます。

◇◇◇

34#シフォン・クリン

静かな吐息が偽ウルフの口から漏れるのと同時にこちらを振り返る。
その瞳は紅色に爛々と輝いていて、ウルフの琥珀色の瞳ではなかった。

「あなた、誰…?ラユを、ウルフを、どこにやったの…!?」

「んー。まぁまぁですかねえ。でも、この子なら余裕ですね」

あきらかに、ウルフのものとは違う、甘い声。
ウルフの姿で顎に手を当てて思考するのはなんとも不格好だ。

「何の話してるのか分かんないけどっ!質問答えてよー!」

そう言ってシュガーがぷりぷり怒ると、偽ウルフは首をかしげた後、自分の姿に気づいて
「あぁ!」
と声をあげたかと思うと、パチンっと指をならした。とたんに煙がでてきて、ウルフの体を包み込んだ。
すると、ウルフの姿はみるかげもなくなり、そこには、
オレンジ色のツインテールにした髪(犬のたれみみみたいだ)、紅色の瞳をもち、いかにも戦闘!っていう感じの動きやすそうな服を身に付けた少女がいた。

少女は純粋な笑みをうかべて、

「申し遅れました、シフォン・クリンといいます。『力』の試験の、あなたの対戦相手です。きのー『心』の方が終わりまして!暇何で、次の試練を先に予習しとこうかなアなんて思ってみたりです」

にこにこ笑いながら話しかけてくるけど……この人、何者!?

「えっと…。シフォン、さん?ラユとウルフはどこ?どうやってここに入ったの?」

「シフォンでかまわないですよ。ラユとかいうのはあの猫のことですか?それなら、シフォンがシフォンの部屋に連れていきました。ウルフというのは…。うん、つれてきましたよ!」

「え、えぇーっ!?」

「すいませーん。シュガーとの戦いに邪魔になると思いまして!今からシフォン、つれてきますっ」

そう言ってシフォンはシュガーに敬礼すると、あわただしく出ていった。

しかし、ドアを出る前に、

「あ、そうそう、シュガー。シフォン、『力』ではあなたに勝てます。だから、『心』くらいはクリアしてきてくださいね。神に誓って」

そう言ってシフォンは冷たい笑みをシュガーにおくった。
シュガーはそれをうけて、体を強ばらせる。
シフォンはそれを満足そうに見届け、ドアをゆっくりゆっくりしめた。