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Re: 金色の魔女とオオカミ ( No.73 )
日時: 2015/12/24 20:36
名前: ぱすてる∞ (ID: Q.pGZPl6)

35#話し合い。

シフォンはラユとウルフをつれてシュガーの部屋に帰ってきた。
ラユはすぐさまシュガーのもとへとかけより、「けがはない!?」と心配してくれた。いっぽうウルフはというと、

「…朝っぱらから、迷惑かけんなよな」

と残し、さっさと部屋をでていった。

「むう、わたしのせいじゃないのに」

そう言ってじと目で見つめる先にはシフォンがいる。
シフォンは睨まれているにもかかわらず、変わらない笑顔を保っている。

「うふふー。ごめんなさい!じゃあ、シフォンはこれで失礼しますね。試験に努力が実るよう、お祈りしてます。神に誓って!」

にこにこ笑いながら、シフォンも部屋を退室する。
ラユとシュガーの二人きりになった。

「ねえ、ラユ。あの子、どうやってここに入ったんだろ?わたし、ちゃんと鍵しめたよ?」
「う〜ん、魔法だろうねえ。でも、ここは国が用意した宿だし…。防犯対策は、ばっちしなんだと思う。つまり、彼女の能力はそれを上回る魔力だってこと」
「わたし、そんな人となんて、戦えない…。ウルフはあんなだし…」
「戦うって、力の試験のこと?どうしてあの子とたたかうなんて分かるのさ?」
「あの子が言ってたの。『力の試験の、あなたの対戦相手です』って」
「何で分かるんだ?未来をみれる人でもいるのかな?そういえば、そのシフォンって子のパートナーは?」
「そういえば、いなかったかも。誰なんだろ」
「あぁ、きっとソイツだね。その人は多分、『未来からの祝福』をもらってるんだ」
「なあに、それ」
「この世界にはね、世界からの祝福をうけて生まれる人達がいるんだ。それで、その人はきっと、未来をみることのできる能力を、世界からの祝福でもらったんだよ」
「なーるほど。でも、どうしてその人と一緒にこなかったんだろう?」
「う〜ん、分からない。ボクが閉じ込められてたとこにはいなかったなぁ。ウルフはどうなんだろうね」
「ーーえ、ちょっと待って。一緒じゃなかったの?」
「ん、違ったよ?」
「そうなの。シフォンは、両方とも自分の部屋に連れていったっていってたのに…」
「…なんでそんな嘘、ついたんだろ?何にせよ、シフォン…要注意人物だね」

話し合いの結果がでて、ラユはそっと上を見上げる。
眩しい太陽がふりそそぎ、ラユのまぶたを焼く。

これだけのお騒ぎがあったのにもかかわらず、まだ朝。

これからシュガーとウルフには試験がある。

そんな先を思い出してか、シュガーは小さなため息をついた。