コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ずっと、手を離さない儘。 ( No.4 )
日時: 2016/02/16 20:56
名前: 哀霧 (ID: a4Z8mItP)

本編です。





Prologue 喧噪の中で・Ⅱ


暗い暗い世界の中で、

前も後ろも右も左も分からずに進む。

体は軽く、少し地を蹴れば飛んで行けそうな感じだった。

体の何処かに何かの衝撃を感じて、

私の世界に色が溢れる。

色色色、カラフルで汚い世界が見える。

見慣れた様な知らない風景を、道の真ん中でぼんやりと見詰める。

何かが何処かに当たった様な感覚と共に視界にノイズが走り、あっと言う間に映像が変わる。

清潔感と謎の戦慄を生み出す建物。

白いベッドの傍で泣く少女。

整った顔を涙で濡らしながら、何にも構わず泣き続ける。


ずきり


衝撃が走る。

ずきりずきり、頭が痛む。

あの子は大人っぽくて頭が良くて可愛くてあの子は非の打ち所が無くて何もかも私より優れてて

あの子はあの子はあの子はあの子はあの子はあの子は—





「泣いてる貴方何か見たく無いよ、美杏。」