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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 猫被り王子様。 ( No.3 )
- 日時: 2015/09/23 00:22
- 名前: 氷優。 ◆oR8MhqCGDo (ID: HyYTG4xk)
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【第1章 理想の王子様。】
無駄に大きな部屋にある、唯一の窓から風が吹き込む。
真っ白なレースのカーテンは、風に踊らされてゆらりゆらりと揺れている。
その風が、窓の付いた壁際のベッドで深い眠りに堕ちていた私の頬を、優しく擽った。
その柔らかな風に、私はうっすらと目を開いた。
視界がぼやけて、この無駄に高い造りになっている真っ白な天井が、貸すんで見える。
ぱちぱちと瞬きを繰り返した後、私はこの2人……もしかすると3人用かもしれないベッドから、身体を起こした。
両腕で思いきり天井を仰ぎ、その後に大きな欠伸を1つ。
カーテンから覗く気持ちの良い朝陽が、私の部屋中に溢れていた。
「今日から高校生なんて、嘘みたい」
くすっと笑った後、ぽそりと呟く。
そう。今日は人生のなかで重要な、高校の入学式の日であった。
6時にセットしておいたアラームも必要なく、胸が踊っている為早く目覚めてしまう。
でも、後悔なんてしなかった。早くこの真っ白なマキシワンピースから、あの「菜ノ宮高校」の制服に着替えたかった。
裸足の為、ふわふわとしたカーペットが直に触れる。
心なしか何時もより、足元がくすぐったく感じた。気のせいかもしれないけれど。
私はその場でふわりと1回転をしてみた後、壁に掛けられた制服へと目線の先を移した。
この制服を着れば、私、花京院 瑞稀は今日から高校生になる。
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