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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 怨霊さんの世界征服。【リク・相談掲示板にていろいろ募集予定】 ( No.3 )
- 日時: 2015/09/25 17:15
- 名前: melody. (ID: d4ff9UDO)
目を覚ます。
ぼんやりと霞む世界で目を凝らし、天井を見つめる。
「知らない、天井…?」
清潔感と同時に言い知れない不安感を覚える、真っ白な天井は私は知らない。
ぐるぐると状況を分析していると、右耳がガラガラガラッ、というドアの開く音を拾った。
「ありゃー?起きちゃったんですかー?」
妙に間延びした台詞に首をかしげる。そんな喋り方をする『人間』は、私の周囲にいない。
「えっとー、前世の記憶はありますかあー?あ、ちゃんと説明しないとダメなんですねー。」
「前世…?」
首を傾げる私に、真っ黒な看護服を着た看護婦らしき人物はにこにこと笑う。
よく見れば、彼女は美人だ。真っ赤なルージュが真っ白な肌に映えている。
「私は看護婦の地縛霊の棗ですー。ここは怨霊になった人達をお世話する病院、幽冥病院でございますー。」
「幽冥病院など聞いたことがない。しかも地縛霊ってどういう意味?」
警戒するように睨む私に目もくれず、話し続ける看護婦、棗。
「貴女は死にましたー。そして極めて強い怨霊として蘇りましたー。」
茫然と、棗を見つめる。
死んだ?私が?
___復讐が、残ってるのに…?____
でも、霊として蘇ったなら__
「幽霊は『本来』人に危害を加えてはなりませんー」
棗の含みのあることばに訝しげに眉をひそめる。
「しかし怨霊とは人間に危害を与える者ー。つまり別枠ですねー。」
「それに、」と言葉を続ける。
「貴女は世界という極めて膨大な相手を恨み、怨霊として蘇りましたー。怨霊の『能力』は恨みによって左右されますのでー強いと思いますよー。」
棗の言葉に、私の心は踊っていた。
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