コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: コトノハナイフ【アドバイス募集中】 ( No.2 )
- 日時: 2015/09/27 01:55
- 名前: 世界の果ての林檎 (ID: d4ff9UDO)
第一話『ココロノキズ』
ボロボロだ。
頑張った。
必死に、必死に、しがみついて、這いつくばって。
でも、もう無理だ。
疲れた。
眠気が容赦なく襲いかかり、眠った。
______ここは、夢の中なのだろうか。
最後の疑問は溶けて、解けて、消えってった。
+++
薄暗いマンションの一室に、私は篭っていた。
私は、他の人とは違った。
症状が現れたのは小学校低学年の頃だった。
友達と一緒に遊んでいた時。
ふと自分に友人の手が触れた瞬間、脳によくわからない、呆然とした『退屈』という感情が生まれた。
それは、高学年になった時にははっきりとした言葉として現れた。
『ウザい』『面倒くさい』『いらない』。
自分の持つ『モノ』に気付いたとき、手遅れだった。
言葉の刃は私の『ココロ』を傷付けた。
ボロボロになった私は不登校になった。
毎日を、布団の中に蹲り、すすり泣くことでフイにした。
- Re: コトノハナイフ【アドバイス募集中】 ( No.3 )
- 日時: 2015/09/27 13:52
- 名前: 世界の果ての林檎 (ID: d4ff9UDO)
「薫?…起きてるか?」
コンコン、と控えめにノックがされた。
申し訳なさそうに受話器を持って入ってくる。
「起きてるけど、何、お兄ちゃん。」
布団の中からむくりと起き上がり、軽く睨む。やんわりと乱れた髪を手櫛で解きながら用件を訪ねる。
「お前に電話。」
「今はいませんって伝えて。」
やっぱりね。
誰からなのかも聞かず、電話をことわる。
肉親はともかく、『他人』は嫌いだ。
「ちょ、聞け!絶対喜ぶから!」
あまりにも必死なので、聞いてやらなくもない、と目で問う。
「和泉昊だよ!お前の幼馴染みではつこ…ぐわっ!」
最後までは言わさせずに鳩尾にグーパンしてから受話器を奪い取る。
「もしもし!?ソラ!?生きてる!?」
バクバクと心臓が鳴る。
お兄ちゃんが言いかけたので止めたけど、確かに私の初恋の人はソラだ。
小さい頃から一緒にいて、よく「ソラちゃんのお嫁さんになるー!」と宣言していた。
中学生になると引っ越ししたので、最近はあまり会っていなかったから、声を聞くのは久しぶりだ。
「よう。生きてる。お前は生きてるかー?」
ちょっと低めの声に顔が熱くなる。
テンパってした変な質問に真面目に答えられてどもってしまう。
「う、うん!そ、それで何の用っ?」
「お前の街に引越しすることになった。」
「うぇっ!?」
突然の出来事に色気も何もない声を出してしまう。
「実はさ、母さんが交通事故にあって。意識戻らないんだよね。」
「遥子さんが!?嘘…」
ふわふわとした浮ついた気持ちは一瞬で別のものに変わる。
遥子さんは小柄で可愛くて、私のことも気にかけてくれる優しい人で、私もよく懐いていた。
「死んではないから。大丈夫。んで、父さんが『俺は暫く母さんの側にいる。おばあちゃん家に行って面倒見てもらえ。』ってさ。」
電話越しに、寂しそうな、呆れたように言う。
遥子さんに対してソラのお父さん___蒼さんは無口で無愛想で、無骨な感じの人だ。
不器用な人だけど、根はすっごく優しいのは
知っている。
「んで、本題です。」
あれ?普通さっきのが本題でしょう。
「お前さ、人の思っていることがわかるとか、ある?」
予想外の展開に、追いつけなかった。