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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 小野寺さん家の恋模様。 ( No.4 )
- 日時: 2015/09/28 23:17
- 名前: 杏。 ◆vLMSJh5x/Q (ID: UIcegVGm)
【第1章 まさかの出来事。】
「確か、此処なんだけど……」
大きな家を目の前に、雲ひとつない空の下で佇む私は、地図を片手に呟く。
もう片方の手には、水色のキャリーバッグ。両親が他界した為、今目の前にあるこの家に住むことになったらしい私の名は、小野寺 華帆。
「星影(Hosikage)高校」に通う、平々凡々な高校1年生だ。
星影高校は、ひとり暮らしやバイトが禁止。困っていた私を、この家の人が引き取ってくれたらしい。
この話は、勝手に話を進めていた祖父母から適当に聞いていたものだから、確かじゃない可能性大なのだけれど。
「インターホン、押した方が良いよね……」
当たり前のことを言ってる私。
ふう、とひとつ息を吐いた後、私は少し震える指を抑えながらインターホンを押した。
ピンポーンピンポーン……と、何時も聞いているこの音が響く。
どきどきと高鳴る胸を抑えつつ、もう一度軽く深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。
「……ほいほーい、今出まーす」
暫くすると、男の人の声。
その声が聞こえた直後、黒くて大きな扉がガチャリと開かれた。
なかから出てきたその人を見て、私はさっきまで高鳴っていた心臓が、ぴたりと止まった気がした。
***
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