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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 小野寺さん家の恋模様。 ( No.6 )
- 日時: 2015/09/28 23:06
- 名前: 杏。 ◆vLMSJh5x/Q (ID: UIcegVGm)
【第1章 まさかの出来事。】
甘栗色の癖っ毛を軽く靡かせ、扉を開けた男の人。
背が高くて、しっかりとした身体付きで——要するに、イケメンの類に入る人。
その人は私を見た後一瞬首を傾げると、直後「ああ!」と何かを思い出したような顔になった。
「君、小野寺 華帆ちゃん?」
「え? あ、はい。一応今日から此処に住むことになってると思うんですけど……」
「あれ、そうだったっけ? ま、取り敢えず上がりな。此方おいで!」
ニカッと太陽のように笑って、彼は私の腕を引いた。
気遣いが出来るのか、然り気無く私の持っていたキャリーバッグを、何時の間にか彼が持っていた。
早くも私、小野寺 華帆は彼の優しさにきゅんきゅんしています。ごめんなさい。
彼に連れられ、木製の床を軋ませながら歩んでゆく。
すると彼は、廊下の突き当たりにある扉の前で立ち止まった。
私も急いで立ち止まると、彼が振り返りまたニカッと白い歯を溢し笑った。
「この部屋に皆いるから、此処で話そっか」
「あ、はい! お邪魔します……」
彼の大きな手が、ドアノブを捻る。
この扉が開かれたら、私の新しい生活が1からスタートする。そう思ってた。
***
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