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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 吸血鬼。【更新中】 ( No.3 )
- 日時: 2015/10/11 23:40
- 名前: Cosmos. ◆YBWquB21YQ (ID: SHYi7mZj)
【第1章 入学式と吸血鬼。】
ふわあ、とひとつ、欠伸をする。
真っ白いレースのカーテンから覗く陽は、とても暖かい。
窓に寄りカーテンを開ければ、まるで絵の具で塗り潰したかのような青空が、広がっている。
「んー……絶好の入学式日和」
そうぽつりと呟いたのは、私、南ノ宮 優月。
今日から「鳴彩(Mesai.)高校」に通う、15歳である。
高校の入学式、という大切な日は、快晴で迎えることとなった。
私は白いドレッサーに歩み寄る。
自分で言うのもあれなのだが、私の顔立ちは、平均を上回っているだろう。
寝る前に緩くひとつに纏めた黒髪をほどき、指を通す。
この腰辺りまで伸ばし続けた黒髪は、私が最も大切にしている身体の一部なのだ。
白い肌、平均より大きな瞳、それを縁取る長い睫毛、紅い唇も。
身長は160前後で、よく華奢などと言われる、この身体付きも。
……やはり、整ってはいるであろう。
鏡に映る自分を、ぼーっと眺める。
と、鏡越しに映った時計を見た私は、はっと気を取り戻した。
時刻は既に6時40分を過ぎている。
入学初日から遅刻は不味いと、私は部屋を飛び出し身支度へと取り掛かった。
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