コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 始まりはいつもアレ ( No.3 )
- 日時: 2015/11/08 15:08
- 名前: レオ (ID: nA9uECtX)
「じゃあ次は恋の始まりについて
先週、私の大学の机の中にこんな手紙が入っていたわ」
アシュリーが語り始める。
「いつも遠くから見つめています
いつも自転車で通っているんですね
起床時間は午前七時、昨日の夕飯はピザだったんですね
こないだレンタルしてきたあの恋愛映画面白いですよね
今度あなたの家の隣に引っ越します」
「それやばい手紙だから!
その恋は危険すぎるから始めないで!」
ジャックが叫ぶ。
「じゃあ最後は冒険の始まり、
勇者ジャック・トラウトよ、この国は邪悪なる魔王により
支配され数多くの災いがもたらされました
この国を救う冒険へと出発しなさい」
女王ジャクリーンが豪華なイスに座っている。
「いや母ちゃん、それはさすがにわけわかんねーよ」
ジャックが力なく呟く。
「つーかこの記念すべき第一話になにをグダグダ言ってるんだ
とにかく何か第一話らしいことをしろよジャック」
ヴィクターがイライラしながら突っかかる。
「いや父ちゃん、いきなり無茶振りかますなよ
とりあえず自己紹介でもしようよ」
「さっきやったじゃないの」
とはアシュリー。
「じゃあ何をすりゃいいんだ?」
ジャックが問いかける。
「そんなのやりたいことをすりゃあいいんだ
そもそもな、こうやって第一話第一話って
やたらメタギャグをやらかしてるとな
読者が離れちまうだろ!」
ヴィクターが大激怒する。
「言いだしっぺは父ちゃんだろ!」
ジャックも応戦する。
こうして、ダラダラとメタギャグを繰り返しているうちに
夜が来てしまった。
「ううっ、もう夜になってしまったか
おいジャクリーン、今夜の夕飯はなんだ?」
「嫌ねぇ、特別な日だから外食にしようって
言っていたじゃない」
「そうだったな、よしみんな、
車に乗れ、今夜はバスターステーキに行くぞ」
「やった!」
ジャック達は大喜びだ。
トラウト家の自家用車である1974年製の大型セダン
マーキュリ−・モンテレーはヴィクターの父親が乗っていた車で、
走行距離は80万キロにもなるボロボロの車だ。
「ねぇ父ちゃん、そろそろ車を変えないか?」
後部座席のジャックがヴィクターに問いかける。
「何を言ってるんだお前は、この車は代々受け継がれているものなんだ
すぐに手放せるものか」
「その通りよジャック、まだまだ走れるんだから」
助手席のジャクリーンが反論する。
こんな他愛もない会話をするうちにマーキュリーは
ステーキハウスのチェーン店のバスターステーキに到着した。