コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- やめられないとまらない ( No.6 )
- 日時: 2015/11/23 16:57
- 名前: レオ (ID: LTdV0xGg)
やめどきが分かっていない人、いませんか?
アメリカで最も人気のあるスポーツ、アメフト。
トラウト家はこの日の夜、地元のアメフトチーム
カンザスシティ・チーフスの試合を観戦、試合後に
一人の選手のインタビューに見入っていた。
「この試合が私にとって最後の試合となりました
まだまだ現役を続けたかったのですが……」
「それにしてもこいつ、まだキャリア4年目だぜ
せっかくこれからが絶頂期だってのに
足の怪我で引退なんてもったいないよな」
「そうだよな父ちゃん、
早すぎる引退だと思うよ」
ヴィクターとジャックがハンバーガーを食べながら引退を惜しむ。
翌日、トラウト家は同じく地元にある野球チーム
カンザスシティ・ロイヤルズの試合をスタジアムで観戦。
3点差を追う9回裏2アウト満塁、ここでホームランが出れば
逆転サヨナラとなる場面、代打に一人の選手が送られた。
しかし三球とも見逃し三振、試合終了となった。
「それにしてもあいつ、ずっと二軍に居座っててたまに
試合に出りゃあ打てない守れない走れないときやがる」
ヴィクターがホットドックを食べつつぼやく。
「仕方ないわよパパ、彼はもう15年目のキャリアなんだし」
アシュリーがフォローする。
「そうよヴィクター、辞め時というのは本当に難しいの」
ジャクリーンがビールを飲みながら語る。
「ホントその通りよね、おばさんの言うとおりだわ」
隣の若い女の子が呟く。
「あっ、クレアちゃんじゃないの」
ジャクリーンが振り返る。
声の主はクレア・トゥロウィツキー、
アシュリーの大学の同級生だ。
「世の中には辞め時が分かっていない人が多すぎるわよ」
不満そうにクレアが話し出す。
「あの選手だってもうやめなきゃって思わないのが不思議よね、
なんだかあのゾンビゲームみたい」
「そもそもあのゲームはゾンビが銃を持ってるのがおかしいわよね」
アシュリーが語る。
「違うわよ二人とも、QTEがやたら多いのがダメなのよ」
「いいやジャクリーン、パンチやキックがマグナムより強いのが
おかしいんだ、とにかく誰かが引導を渡さないと」
「いや確かに酷かったけどさ、そこまで言うことなくない?!
レオン編まぁまぁ面白かったからね!」
ジャックがツッコむ。
翌日、ジャックが高校から帰宅していると
家の近くにアシュリーとクレアがいた。
「何やってんだよ姉ちゃん」
「たった今からやめどきを決めに行くのよ」
アシュリーが答える。
「この街には辞めどきの分かっていない人が多すぎるのよ」
クレアが続いた。