コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- やめられないとまらない ( No.7 )
- 日時: 2015/11/28 23:06
- 名前: レオ (ID: LTdV0xGg)
クレアたちがまず向かったのは一人の路上ミュージシャンの前。
「夢は諦めなければ必ず叶う」
そう歌っているミュージシャンの前でクレアが叫ぶ。
「はい、今がやめどきです」
「何のことだ?」
ミュージシャンが尋ねる。
「その音楽で食っていこうという考え方のやめどきです」
アシュリーも続く。
「なんだよ、そんなの人の勝手だろ
あんたらに言われる筋合いはない」
ミュージシャンが反論する。
「田舎のお母さんを心配させながら?」
とはクレア。
「夢をかなえるといって18歳で家出して
早28年、46歳となりまだ夢を追いかけているその心に
戦力外通告を言い渡しに来たのよ」
ミュージシャンは強い衝撃を受けた。
「そうか、俺が間違っていた
今日でもうギターは置こう、これからは
声優で食っていけるようにがんばるよ」
「賢明なご判断です」
アシュリーが微笑む。
「いや、その志には戦力外出せよ!」
ジャックがツッコむ。
次に向かったのはコンビニ。
一人のアルバイトが店長に神妙に告げる。
「話ってなんだ?」
「店長、俺今日で……」
クレアが叫んだ。
「まだやめどきではありませーん!」
「は?」
アルバイトが呆気に取られる。
「やっとレンジに一緒にマヨネーズ入れて爆発させないように
できたじゃないですか」
アシュリーが伝える。
「タバコくれのイントネーションだけでどの銘柄が欲しいのか
分かるようになったのに?
いつもヨーグルトを買いに来るあの娘に告白はしないのですか?」
「いやなんでそんなに詳しいんだよ!
こえーよ!」
ジャックがツッコむ。
「そうか、俺が間違ってた」
アルバイトの表情が変わった。
「店長、俺やっぱやめるの撤回します!
これからもよろしく!」
「よくぞ言った、あなたのプロコンビニ人生はこれからも
続きますよ」
クレアが笑顔を見せる。
「いやプロとかねーから!」
「よくぞ言った、これからもうちでがんばってくれるか
よーし、バイトの時間12時間から18時間にアップしてやる!
死ぬまで一緒に働こうな!」
「はい!」
店長とアルバイトが抱き合う。
「いい話ね」
クレアが涙をこらえる。
「いやその労働条件やばいから!
社畜として飼いならされてるから!」