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Re: アオゾラペダル ( No.4 )
日時: 2015/11/16 21:25
名前: 逢逶 (ID: 9AGFDH0G)

episode1
title 日常

「行ってくる」

「行ってらっしゃい」


お父さんはお母さんの額にキスをして家を出た。

私のお父さんは芸能人。


アイドルグループのリーダーで一世を風靡した。
今はタレント活動が主な仕事。
もう40のおじさん。


お母さんはそんなお父さんと壮大な恋をしたそうで…、詳しくは話してくれないんだけれど。


正直言うと、家での二人のスキンシップは激しすぎると思う。
キスは何度もするし、ずっとくっついている。

そんな家庭だけど恋に全く興味がない。



「夏純!そろそろ行かなきゃ!準備して!」



「はーい。ほら、こうとはるも」

「「はぁい」」

〝こう〟と〝はる〟は只今三歳で双子。
向葵(こうき)、日葵(はるき)って名前。
向日葵から取ったらしい。
私もそうだけど両親は子どもに日本の花の名前を付けたいみたい。
お母さんが花の名前でお父さんの名前が日本って意味だからだと思う。




お母さんが弟たちを車に乗せたら、私は自転車に乗る。

「行ってきまぁす」

「行ってらっしゃい!今日は何時になるの?」

「六時半には帰るから」


私は自転車を漕ぎ出す。
中学校に向けて。




風が心地よく通り抜ける。

ペダルを漕ぐスピードも上がって。




調子が出てきた頃に学校に着く。
もう少し学校と家が遠かったら良いのに。






描きたい風景が溢れている。