コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 青春のまんなか、エールを送る【参照200突破!】 ( No.22 )
- 日時: 2015/12/11 00:38
- 名前: ひかり (ID: TkB1Kk0e)
+*+*+*☆13話☆*+*+*+*+*+*+*+*+
「勝、お前さぁ……佐竹ちゃんと付き合ってんの?w」
阿呆面で話しかけてくるのは中学からの腐れ縁・中條だ。
「……悪いが、もう一度言ってくれたいか、単細胞?」
「あれ、単細胞って聞こえたような気がするんだけどー、って言うかほんと勝って俺のこと名前で呼んでくれたことないよね〜親友なのにー!」
「俺はお前を親友どころか友人とも認識したことが無かったんだが。」
「えー!? ひっどー勝が裏出す奴なんて俺くらいっしょ?あ、あと佐竹ちゃん」
「馬鹿過ぎて疲れるからだ。お前らとは表の顔ではやっていけそうにない」
「えーなになに、褒めて「脳を解剖されたいか?」じょ、冗談だってー」
でもさ、と中條が続ける。
「佐竹ちゃんとは付き合って「二度と喋れない口にしてやろうか?」ごめんごめんなさい許して!」
必死に中條が涙目で謝ってくる。
正直に言おう、気持ち悪い。
もういい、と手で払うと、すぐに笑顔になる。
本当にこいつは調子のいい奴だ。
表情筋がどうなっているのか知りたい。(お前がな by作者)
すると、勝が言うとほんとにやりそうだから怖いんだよねー、と中條が呟いた。
「……ほんとにやるけど?(with爽やか笑顔)」
「………なに、今の。悪寒走ったんだけど。」
これからは勝を怒らせないようにする、などと中條が呟く。
それは結構なことだがどうせすぐにやらかすだろう。
家に帰ってすぐに喋れない口にする方法を考えなければ。
「おーい、神谷、中條! そっちで話してないでこっち来いよー!」
「あー、今いくっ! いこ、勝!」
「悪ーい。こっちで話盛り上がっちゃってさー」
適当に返事を返す。
人を騙すのは、簡単だ。
誰だって良い顔をすればすぐに騙される。
元々持ち合わせていた顔や頭の良さ、運動能力の高さ、その他色々が手助けをして、良くも悪くも媚びてくる連中で溢れている。
「お前らなに話してたんだよー」
「えー、所謂恋バナってやつかな、勝?」
「そうだな、お前の今気になってる子の話だろ?」
周りに合わせて、笑う。
人はすぐに集まってくる。
良い成績を残す。
大人たちは口々に誉める。
短絡的で単純な生物だ。
馬鹿にも程がある。
「えー、マジ 中條好きな奴いんのかよ!」
「誰だよ、吐けー!」
「え、ちょ、勝っ!?」
時々、単純すぎるそいつらを見ていると心底鬱陶しく、気分が悪くなる。
…………でも、それでも。
俺の素を引き出した中條は、もしかすると"親友"なのかもしれない。