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Re: 青春のまんなか、エールを送る【参照200突破!】 ( No.26 )
日時: 2015/12/17 00:59
名前: 縺イ縺九j (ID: zc76bp3U)

+*+*+*☆番外編・前編「正反対の俺たちは」☆*+*+*+*+*+*+*+*+

レクレーション後の振り替え休日の月曜日に、俺は親友と一緒に遊園地に来ていた。
「おい、なんで折角の貴重な休日をお前なんかと過ごさなければいけないんだ」
「えー、いいじゃん。遊園地のチケット、親父が貰ってきちゃったんだもーん。」
「他に女誘えばいいだろ。お前モテるだろ、単細胞のくせに」
「え、最後の関係なくない?」
確かに俺はモテる。
モテるけど。
「なんてゆーか最近そーゆーの面倒だなーって思ってさー。それにやっぱり、好きでもない人と来たって、ねぇ?」
「………お前がそんなことを言う日が来るとはな」
はいはーい、お口をチャックしましょーねー、なんて言ったら三秒後に鉄拳が俺の腹にヒットするだろう。
でも、減らず口が過ぎる親友の弱点を俺は知っている。
「…そんなに女の子を誘って欲しいんなら佐竹ちゃん誘おっかなー」
「…なっ!?」
不意打ちの俺の攻撃に勝の顔が朱に染まる。
思わずレアな表情にニヤニヤしてしまう。
今日こそはいつもの仕返しでいじり倒してやろう。
「あっれー、どーしたのー? なんか顔真っ赤だy……あ"ぁ"あっ"!!??痛い痛い痛い痛い!!!!!」
勝が俺の手首を掴んでギリギリギリ、と締め上げてくる。
「いいか、お前は"不幸な事故"で"偶然転んで頭を打った"んだ。よし、いま楽にしてやる………」
「ちょっと勝手に死んでることにしないでよ生きてる生きてるてゆーか離して離して離してー!」
やっと手首を解放される。
こいつはなんて奴だ。
佐竹ちゃんってワードに反応しちゃってかわいいな、なんて思ったら、凶暴化した。
「…………そーいえば」
「なんだ、まだ言い残したことがあったのか?」
「いや、死んでないよ!?……ちょっと懐かしいこと思い出しちゃって、さ。」





□■□■□■中学1年・冬■□■□■□■□■□■□■□■□


「神谷くん、好きです! 付き合って下さい!」
「ごめん、今は勉強とやりたいことに専念してたいんだ」
また今日も敗者が出た。
「あーあ、振られちゃったねー、あの子も」
「やっぱ神谷くんって皆の王子さまだもん。簡単には付き合わないってー」
学年、いや学校一のモテ男であり、クラスメイトでもある神谷 勝はなぜこうも女の子を振り続けるんだ。
実に勿体ない。
俺だったら絶対付き合う。
あー、勿体ない。
「…じょう!……中條!」
「……はぁーあ…ってうわぁっ!?」
「どうした? あ、これ先生からの預かり物。あと、個人報告書明日提出だから出せよー」
さっきまで心の中で悪態をついていた本人が急に目の前に現れた。
「あ、ありがとー」
「?」
素直に受けとると、神谷は頭にハテナマークを浮かべながら去っていった。
そういえば、あいつは学級委員だった。
神谷は、俺の席から離れると友人達の輪の中に入っていった。
周りと一緒に、笑っている。
「……あれ?」
皆と一緒に笑っている神谷の姿に、俺は何故か、何とも言えない"違和感"を覚えた。
「…………なんか、違うような…?」

この違和感の正体を、数日後に俺はこの身をもって知ることになる。