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Re: 樹海のエアガール【コメント募集中!】 ( No.35 )
日時: 2015/12/05 08:43
名前: シロマルJr. (ID: TM1He8zT)

エピローグ2.「未来」

ーー「未来」って何だろう?
いつもの屋上で、ふとそう考えた。女性バンド「クローバーメイズ」の曲を聴きながら。
私が思うに未来とは、「今、一秒がたった瞬間から」なんだと思う。
人生は、何があるのか予想がつかない。例えば、約5秒後に世界を巻き込む大地震が発生したり、約10秒後に学校にテロリストがきたり、約20秒後に背後から茂流が私にドロップキックを喰らわせてきたりなど、全くもって予想できないのだ。
ーー心が読める能力があればいいのに。
そう思う方もいるだろう。確かに便利だし、厄介ごとに巻き込まれないし、私も以前まではそうだった。
でも今は違う。何が違うかって?そう、それじゃつまらないって思うようになったのだ。
すると急に、ソラマナの事を思い出した。
ーーあいつは今何をしてるんだろう?未来ってどんなところなんだろう?
あいつに関する疑問符が、湧き水のように湧き出てくる。何でこんなにも気になるんだろう?クローバーメイズのライブがいつかってくらい気になるんだけど。
そうそう、前回のエピローグ1で言ってたあれから変わった事の三つ目をまだ言ってなかった気がしたなぁ。では今言おう。それは何かというとーー
ーーブブーーー・・・
グッドかバッドか分からないタイミングで、ポケットのスマホが小刻みに揺れる。電話が掛かってきたようだ。今いいトコなのに・・・。
電話の相手には、『凛花』と書かれていた。
「・・・もしもし」
『あ、マナミちゃん。あのさ、今からみんなでカフェでお茶でもしようと思うんだけど来れる?今4時半だけど、5時に新宿カフェに来てくれる?』
「うん、分かった。5時に新宿カフェに集合ね?」
三つ、最近私がよくカフェなどに誘われるようになった。今まではーー高校に入ってからは、一度も誘われてなかったのに。私はそれがたまらなく嬉しかった。
凛花の言うみんなといっても、あの日、緑広場にいたB組の連中だけだろう。それ以外の生徒からしたら、私はまだ空気のままだ。
でも、別にそれでいいと思っている。これ以上多くの人間と関わるつもりは無い。心変わりしたといっても、そんなに多くの人間関係なんか持ったら疲れちゃう。
そうそう、電話中だったんだ。凛花の声が聞こえる。
『もしかしてマナミちゃん、今ソラマナちゃんの事考えてるでしょ?』
・・・図星だった。ズバリと言い当てられ、私は一瞬だけ動揺した。彼女こそ、人の心を読む力が備わってるんじゃないだろうか?
『あ、図星でしょ?って事は、今屋上にいるんじゃない?また音楽でも聴きながら考えてるんでしょ』
「・・・何で分かんの?ちょっと怖いんだけど」
『あはは・・・いや、もしやと思ったからさ」
・・・もしやでここまで当たるもんなんだろうか?
『とにかく、新宿カフェに5時集合って事だけ伝えたから。待ってるよー!」
「うん、後でね」
そこで、凛花との通話は切れた。
ソラマナは今どうしてるんだろう?また未来から私の事を、さながらストーカーのように見物してるのかな?
いや、あれこれ言っても、ソラマナがここに現れるわけでもないだろう。考えてたらキリが無くなりそうなので、深く考えるのは止めよう。
ーー私には、もう今の仲間がいるんだ。
そうだ。過去の事をグダグダ言っても、タイムマシンでもなきゃ過去は変えられない。
でも、未来なら簡単に変えられる。一つ一つの行動、考えで。
現にあの日、綾と会話した事で、想像もしなかった未来に変えられたんだから。
ーーよし、行くか。
時刻はもう午後4時40分になっていた。早く行かないと間に合わない。私は早足で屋上を後にした。

これから新たな仲間と過ごす未来に、心躍らせながら。




ーーーハイ、これでやっと、樹海のエアガールは完全完結です!
長くも短くもない、なんとも中途半端な間、見ていただいた皆様には本当に感謝してもしきれない思いです!
初めはどうなる事かと思いましたが、こうして無事に完結できて、本当に嬉しい限りです!
途中から何か設定がメチャクチャになりかけましたが、次回からはそんな事は絶対に無いように努めていきたいです・・・。
今度は二次創作で執筆していきたいと思います。またコメディの方で、新作など掲載するかもしれないので、その時はまたよろしくお願いします!

Thank you for everyone!