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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの恋を七色に。 ( No.10 )
- 日時: 2015/11/08 20:06
- 名前: 向日葵 ◆.AJPkz4dwk (ID: mvHHqCHZ)
#03 ハイテンションガール
理人と靴箱にローファーを入れていると。
後ろから走る足音が響いてきたかと思えば、いきなり首を絞められる。
なんだ?! と、驚いた私は首を絞める誰の手を叩きながら、振り返った。
「優月、おはよ!」
「ゴホッ! ちょ、誰」
振り返った先にあったのは、これまた見慣れた整いすぎているお顔が。
長い髪を高い位置でポニーテールに、というヘアスタイルがよく似合う、そんな彼女は——桃英 双葉という。私達と同じ、C組だ。
双葉は可愛らしい顔を更に可愛らしく、にっと口角を上げて見せる。が、そんな笑顔は良いから早く手を外して欲しいと、私は軽く睨んだ。
双葉は「ごめーん」と言い、手を緩める。
「後ちょっとで死ぬとこだった」
「あははっ、ごめんごめーん!」
「大丈夫だ双葉、普通の女子より優月はきっと頑丈な作りになってるから」
余計な一言を挟んできた理人を、睨む。
女子力なんて無い私だけど、そんなこと言われたら多少は傷付くんだぞ?
後で覚えてろよ、という眼差しを理人に向けた後、私はスタスタと歩き出す。勿論、腹の立つふたりの友人、理人と双葉を置いて。
と、理人は「拗ねんなよ」と言いながら私を追い掛けてくる。双葉はというと、まだ爆笑している最中である。ほんとに元気だ。
「帰りクレープ奢るから許して、優月?」
「今日はアイスの気分。トリプルで許す」
私が目を輝かせながら述べると、またまた双葉は笑い出し、理人も鼻で笑った。
アイス、しかもトリプルだなんて滅多に食べれないし、私の気分は上々である。まあ、そんな私よりも気分上々な方が1名。
〝ハイテンションガール〟というワードが此程似合う人は、きっと双葉くらいだろう。
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