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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの恋を七色に。 ( No.7 )
- 日時: 2015/11/07 21:57
- 名前: 向日葵 ◆.AJPkz4dwk (ID: mvHHqCHZ)
#02 幼馴染みで困ること
私達は、2年生になってまだ1ヶ月。
クラスには普通に顔を見たことがない人がいるし、未だに話したことのない人もいるのが当たり前だと思う。……なのに、なのにだ。
「味森君、今日も格好いい!」
「おはよって挨拶してこよ!」
「えー、無理無理! レベル高いって」
校門を潜れば彼方此方から女子の甲高い声が上がる方が、当たり前となっている。
最初の方は毎日朝から疲れきった顔をしていた理人も、今では大分慣れた模様。
飛び交う理人に向けられた言葉を適当に交わし、ずんずんと校舎に歩き出した。
勝手に理人は行ってしまうものだから、私は女子の渦に巻き込まれる。
酔いそうになりフラフラしている私の腕を、理人はぐいっと引っ張った。
気持ち悪くなる程の渦のなかから、理人の腕の力により脱出が成功した。
「フラフラしてんなよ、優月」
「理人……誰のせいでこうなったと」
「あー、誰だろうね? 分かんないなあ」
小憎たらしく、べーっと舌を出す。
こんな奴の何処が良いのやら、理解不能。
私はふう、とひとつ溜め息を漏らすと、理人の腕を掴んだまま、歩き出した。
皆にイケメンだのクールで格好いいだの騒がれる幼馴染みを持つと、こういう大変なことが待っているのだ。
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