コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋愛事情 ( No.6 )
- 日時: 2015/11/23 15:33
- 名前: 愛莉 (ID: 8.g3rq.8)
▽5話 私と恋
「好きな人いるの?」
それは、突然来た、クラスメイトの翔くんからのLINE。
翔くんは、私の前の席の男子で、最近よく喋る。いつも面白い話をしてくれて、おかげでこちらも毎日笑顔でいられる。
好きな人……。
そう言われて出てくるのは、あの人の顔。たった1人だけ。
でも私は人にそういう事をペラペラと喋らない主義。ほんとに信じてる人にしか言わない。
だから、私の好きな人を知ってるのはクラスで2人。
奈央と、琴葉。
琴葉はいつも明るくて、うるさいくらい元気。だけど、約束だけは守るいい子。琴葉とは2年生の時にずっと仲良くしてもらっていて、今年もよく一緒にいる。
「え…いないけど…いきなりどうしたの?笑」
おちゃらけて返す。これは…ついていい嘘だよね…?
翔くんが信用できない訳じゃないけど…。
「いや、別に大した意味はないよ。」
「そうなんだ笑」
なんだ、なら、別にいいよね。
「翔くんは、好きな子いるの?」
一応、聞いてみる。
「いるよ」
「え?誰?気になる!」
そこで、会話は終わった。
あれ、私、なにか変なこと言った?聞かなかった方がよかったかな…。
「ごめん、嫌なら言わなくてもいいよ」
「いや、なら、誰だと思う?」
え、クイズ形式ですか?!
「美織ちゃん?」
翔くんが1番よく話す女子をあげてみる。
「違う」
「あっ、奈央?!」
「人の彼女を好きになるような趣味はありません」
「あっ、そっか」
「身近にいる人だよ」
「琴葉?」
「違う」
そろそろ答え言えよ。
なーんて、むかつき始めたけど、実際、私はそんなのどうでもいい。
自分の恋に精一杯だ。
「もう分からないよ」
「そっか…」
それで、会話を終わらせた。寝ようと思って、部屋の電気を消し、ベッドに入ったところで、また翔くんから何通かLINEが入っていたけど、見ずに寝ることにした。
こんなふうに遙歩くんと話せたらいいのに。なんて思う。
私の臆病な“恋”。