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Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.19 )
日時: 2015/11/25 21:39
名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: laaGvqHD)


第三章  古代竜


〜3〜


「誰か〜!古代竜———エンシェント・ドラゴンを狩るのに協力して〜!」

 私は面白そうだ、と声の方へ歩み寄る。

「あの〜、私でも参加できますか?魔術師です」
「え?魔術師!?ええ、構いません。回復職がいなかったので、探してたんです」

 私が簡単に自己紹介をすると、目の前の人……小さな男の子は目を見開き、驚いたようだった。

 はて?
 なんで?
 最近こんな反応をする人が多い気がする。
 私ってそんなに有名なの?
 あ、そうか。私は見た目、剣士なんだった。

 目の前の男の子はサーヴェル。
 猫耳のかわいい子だ。わたし好みの子で、女の子だとなお良し!
 かなりアブナイ人と見られそうな発言だ。気をつけよう。ブラックリストには入れられたくない。
 大丈夫!誘拐なんてことは出来てもしないから!

 ……脱線した。
 サーヴェルの他に彼の仲間らしき冒険者の姿は無かった。
 私が受けたクエストは「無期間」というもので、いついつまでに報告しろ、納品しろ、とかは無い。大変受けやすいクエストで、主に初心者向けだ。(ちなみにルーシーは自称・初心者です。自分の実力を恐ろしいほどに過小評価しています)

「この人数で、大丈夫なの?」
「うーん……。もう少し人出が欲しいところですね」

 私が周りを見回して言うと、サーヴェルも唸った。古代竜は、私の知る限り結構強かったはず。そんな奴を二人で倒しに行くというのは、無謀すぎる。

「……人が多そうな所に行ってみるかな」
「あの……」
「?」

 私がぼそぼそと呟いていると、サーヴェルがおずおずと聞いてきた。

「あの、ルーシーさんのレベルって、いくらですか?」

 え、レベル?
 そんなの見れば分かるんじゃないの?

「えっと、ゲームである設定の中で、自分よりレベルの高い人のレベルは見えない事になってるんです。僕のレベルはルーシーさんのレベルより低いから……」

 ほほう。そんなシステムがあったのか。

「そうなんだ。私の今のレベルは11……ってあれ?15?」
「ぶっ」

 私の今のレベルを聞いて、サーヴェルがふきだした。面白くって……というよりは驚いて。

 ついこの間までは11だったはずなんだけど。あ、でもそれはドラゴンを倒す前の話か。簡単だったか難しかったかは置いといて、たぶんモンスターによって経験値は決まっているから……ドラゴンは、さすがラスボスってところかな。経験値がバンッバン入ったってことだ。

「なんか話に聞く人と違うなあ……?」

 近くからそんな声がした。
 話に聞くって……私はそんなに有名なの?いや、誰かと間違えてるんじゃないかな?(自称・初心者+自称・その辺にいる弱い冒険者の考えです)
 でも、なんか気になるんだよね。

 ……主に悪い方向で。

「話って?」
「え、知らないんですか!?」

 え、知ってるんですか!?普通の人は知ってるの!?

「掲示板ですよ、掲示板。見て下さい、これ」
「掲示板?」

 そう言われて私は掲示板を表示させ、それを見る。

 最近、見ていない……というより、一度も見ていなかった掲示板。
 左の方に名前が出て、その隣からメッセージが書かれている。
 雑談や情報収集など、多種多様な使い道のある掲示板。いわゆる2チャンネルみたいな物。その情報収集用のスレというシリーズで私に関しての情報交換が行われていた。
 私の名前が出てくる回数は、スキルから始まり、ドラゴンでもっと増えた?ようだ。

 どれどれ、「最強プレイヤー」「姿は二本の剣を持つ華奢な少女」
「おとなしい印象だが、戦闘になると人が変わる」「戦闘狂かいっ!」。

 ……。
 …………。
 ………………。
 一体どういうことだろうね?
 あの三姉妹やシアンまでもが私のハードルを上げるような発言をしている。
 そんなに私を困らせたいのかな?

「こう言う風に話してもらえるのは幸せですよ。ある程度の力量があるなら、さっさと噂になった方がツテやコネも増えますし」

 あ、なるほど。そういう考え方もあるか。
 あっさりと流される私である。

「それはそうと、人、これで大丈夫?」
「ルーシーさんがいる限りは大丈夫だと思いますが」
「いやいや、だから、相手は古代竜でしょう?そんな簡単には倒せないから。そんなひょいひょい出てくるもんでもないし」

 そんなに私がすごいと思われているのはやっぱり掲示板にあーだー、こーだー書き込んだ奴のせいだっ!後で覚えとけよっ!(もっとも、後に被害を受けそうな人たちに会った時には、こんな事はすっかり忘れているルーシーです)

「とにかく、人を集めにもっと他の場所をあたろう。レベルがある程度高い人たちが集まるのは……」
「競技場ですかね」

 競技場、通称アリーナと呼ばれるそこは、プレイヤーがプレイヤーに申し込み、チーム、もしくは個人で戦闘をする場所だ。
 大体は解放されるのに一定のレベルがいるので、ここに行けばレベルが高い人がいるのは間違いなし!という事で、早速向かってみる私たちであった。


———


 こんばんは、ルーシーです。今日はちゃっかり学校で宣伝してきました。友達です(*^_^*)

 さて、今回はサーヴェル君の名前が分かって、ルーシーの知名度がどれだけ高いか……ということ以外はストーリー的進行ゼロでした。

 次はルーシーが若干暴走します。古代竜も出てきますよ〜