コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.20 )
- 日時: 2015/11/25 21:45
- 名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: laaGvqHD)
第三章 古代竜
〜4〜
「おおぉ!ここが競技場!」
「ルーシーさん、来た事無いんですか!?」
私の場合はレベルは足りているのだが、どうもクエストに興味が無いためか、アリーナ関係のクエストをクリアしていないんだな。イコール、アリーナには来れない。
別にストーリーに関する物でもないし。まあ、私の場合はそもそもストーリーにさえ関与していない。そのため、説得力は皆無だ。
そんなこんなで、私は外で待機。サーヴェルが中で呼びかけ。
……とするはずだったんだけど。
サーヴェルまでもが外に居ると言う事態になり、今に至る。
「とりあえず、さっきみたいに呼びかけたら?」
「そうですね」
サーヴェルが息を吸い込み、古代竜が云々を話し始めた。すると、予想通りというか、周りに人が集まり始めた。
……なんと言うのか、馬鹿にして、よってたかってきた。
「おいおい、そんな軽装で挑むつもりか?」
「お前ら死ぬぞ」
「お譲ちゃんの方は武器も持ってねえじゃねえか。魔術師か?」
なるほど、こう来たか。
さすがに予想外の反応だった。
だってだって、私が魔術師だって、気付いてくれた人がいる……っ!
感激である。
ちなみに武器の方はちゃんと装備している。ただし見た目がライトセイバー的なものなので、鞄に入れてるから見えないんだよね。
その鞄はと言うと、腰にくっついている。
「どうするかなぁ……」
私はサーヴェルの後ろに立ってその成り行きを見守っているだけである。
私の名前を出せば、先ほどの有名度具合、知名度のおかげで人は集まるかもしれない。
———でも、それじゃつまらないじゃない!!
サーヴェルは私の名前を出す作戦にしたかったようだが、それはこの発言によって消え失せた。
人を集めたいのか集めたくないのか、ただ遊んでいるだけなのか……。よくわからない人、というのがサーヴェルの中の私の評価に加わったかもしれない。
言っておくが、私は自由奔放なので。期待するだけ無駄だよ!私に普通になれ、という方がおかしい。
「んじゃ、ま、とりあえず行ってみるか」
「え」
「ん?だって誰も集まらないし。様子見だけだから」
かなり疑われてるね、私。
おかしい。サーヴェルは私との付き合いは短いはずなのに。
と、言う事で。
半ば私が無理やり連れてきた形だが、古代竜がいるはずの谷までやってきた。
「……やっぱり、いないねー」
「そうそう簡単には見つけられないと思います」
ですよねー。
「さて、どうするかなー」
私が独り言を言うと、そのとたん、ドシン、と音がしまして。ついでに振動も来まして。
「お、これは」
「ビンゴっぽいね」
私たちの目の前に、今しがた現れた真っ白な竜。これがまさしく古代竜。
「ていやーっ!」
「ふぇ?」
そして、その背後から現れた、おそらく人であろう影。
……全く気付かなかった。
私たちは遠くから岩に隠れていて、そのためか自分たちと比べた時の相手の大きさが分からない。だけど今分かった。
ドラゴンでかっ!!
人が馬鹿みたいに小さいのなら別だけど。
「いやぁ、想像してたのよりもでかいね、あれ」
「で、ですね」
後から追加みたいに、そのくらいの反応で終わらせるあなたにも感心です、とか言うのは私には聞こえてないよ!
「あっちはPTか〜」
うわ〜、ドラゴンかっけ〜。人間達に気付かなかった理由の一つとして、実はドラゴンがゆったりおったり、くつろいでいた事も入ってるんだけど。
「って、またPTが来た!?」
なんか、狙われてるよー、大変だね。
もちろん、自分たちも狙っているという事は棚に上げている。
「お、HP減った!」
全く助けに行く気は無い。
サーヴェルは古代竜のステータスを見ながら言う。
「今のところ、攻撃は尻尾とブレスと、蹴りやら突進?かな」
今まで以上にHPが削られた事に驚いてか、ドラゴンが凶暴化した。
結構強いね。
一撃でプレイヤーのHPの7割ほどを削っている。
「あの、ルーシーさん、助けに……」
「ん、ま、いーよー。んじゃ、行こっか」
私はまるで散歩にでも行くような調子で言う。
ここに来るまでに証明した事。戦闘前だから、一応確認しておこう。
剣についてがほとんどだ。というか、それしか無い。
二本の剣(ライトセーバー、ルーシー・談)についてだが、簡単な魔法なら掛けられる。さすがにスマッシャータイプは駄目って言われた。
でも、ボールタイプならオッケーらしい。イメージとしては、剣を横凪にふるえばその属性の攻撃がその剣の軌道にあわせて飛んでいく……かな?やったこと無いからわかんない。
早速試してみたい!
ちなみに命中率はどの魔法にも適応されるらしい。しかし、通常攻撃は関係ないとか。逆に、攻撃力25倍は通常攻撃のみ。魔法は変わらないらしい。
もう、私って最強だね!
「エリアハイヒール!」
私が叫びながら突進していく。
一斉に全員がこっちを向いたけど、気にしない。
まあ、まだ装備なしに見えるもんね。仕方がない。
おっしゃ!斬りつける瞬間に剣を出現させるぞ!パフォーマンスだ、遊びではない!
「はっ!」
———シャキーン!
的な感じでやってみた。……悲しいかな、中二病……。
斬りつけた後、ドラゴンを駆け上がって頭を蹴り———ごめんなさい、ドラゴンさん———空中に跳ぶ。ちなみに、ここはゲームの中なので身体能力が大幅にアップしている。現実でこんな事が出来たらオリンピック級だ。優勝間違いなし。
そして相手のステータスを確認。
MPは削れていないが(防御にあてて減っている可能性も)、HPは少し削れていた。
通常攻撃でここまで削れるなら十分!一気に落とすぞー!
着地点にドラゴンがいたので———そうなるように仕込んだのだが———、剣にそれぞれ火と水をまとわせて順番に斬りつける。
———グオオオォォォ!!
あ、怒った。
大丈夫、私にそんな脅しは効かないわ!
その後、私は攻撃をきれいに避けながらドラゴンをフルボッコしていたのだった———
———
ルーシーのチートとサーヴェル君を登場させるというのがこの章の目的ですww
次は第三章最後の掲示板ですよ〜