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Re: T.A.B.O.O ~僕と君は永遠を誓えない~ ( No.3 )
日時: 2015/12/05 12:29
名前: 逢逶 (ID: rBo/LDwv)

episode2
title 暗闇

朝目覚めると、一気に体が重くなる。
これから一日が始まる。

隣で気持ち良さげに眠る誠を起こさないようにベッドを出て、朝自宅をする。

テーブルにはメモが置いてあった。
誠さんが書いたもの。
口で伝えればいいのに。…そう思ったけど私も口ではっきりと誠に何も言えない。

〝今日、契約しているグループと飲み会がある。〟


飲み会か…。

愛されていない妻は肩身が狭い。


朝食を作って、誠を起こす時間になった。


「誠、起きてください」

軽く肩を叩くと、誠は目をこすりながら起き上がった。


「おはよう」


「おはようございます」



久々に二人で朝食を食べる。
結婚してもう、三年。
距離は離れて行くばかり。


「今日の飲み会は何時ですか」

「12時には家を出よう」


「出勤しないんですか」

「今日は休みだ」


「…わかりました」



結局、会話はそれだけだった。



掃除や洗濯をして、あっという間に12時になった。
高級車に乗って、家を出る。


最近、助手席に乗ることに違和感を感じている。
子供を早く作れない私が、誠の隣にいていいのだろうか。



「織」


「はい」


「今日は失礼のないように。俺の後ろにいるだけでいい」


「…はい」

隣ではなく、後ろ。
何気ない一言がいちいち辛い。



また暗闇が広がる。