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Re: 魔法が使える世界 ( No.21 )
日時: 2015/12/10 19:50
名前: 胡桃 ◆/GgRTOxpqo (ID: dQt5LOir)


菜々子は、何とか頑張って決壊を割ろうとし、手で叩くが、もの凄く固い。
菜々子の手は赤くなってしまったが、それでも諦めなかった。今度は足で蹴ったりとしたが、全く効果は無かった。
優樹達も、見ているだけではなく、決壊を割ろうとしていた。
「はぁ・・・はぁ・・・どうしよう!全然割れないよ!」
菜々子は、朝から疲れた様な顔をしながら、そう呟いた。だが、優樹達は頑張れと応援してくれたのだ。
そして、二十分後。菜々子達は決壊を割ろうと何度も何度も割ろうとしていたが、結局、駄目だった。むしろ、どんどん決壊が固くなって行く気がして来た。
もう駄目だと思ったが、ティナナとロイは、何かをコソコソと話していた。それが終わると、勢いを付けて決壊を割ろうと、後ろに下がった。
菜々子と優樹と優太は、何をするのかと思った。ティナナとロイは、後ろに下がると、一気に「やぁー!」と声を上げながら、決壊を割ろうとした。
ティナナとロイの頭が、決壊を叩く。すると【バリーンッ!】と、大きな音が鳴り、決壊を粉々にした。その決壊は、とても大きな物だった。
「わぁー!凄ーい!ティナナちゃんもロイも凄いねー!流石、石頭〜!それに比べて、お兄ちゃんは・・・」
妖精達は、皆頭が石頭だ。優秀な妖精程、頭が固くなる。こう言った時にも、活躍はするのだった。だが、石頭を使うと、頭が赤くなり、ヒリヒリとしてしまう。どちらが固いと言えば、ロイの方が頭が固い。
だが、何故今まで石頭で割らなかったかを言うと、今まで二人は石頭の事を忘れていた。それよりも、女王様の事で頭がいっぱいだったらしい。
そんな石頭の事を、優太は褒めた。だが、言葉の最後を言い終わると、じっと優樹の事を見つめた。「はいはい・・・どうせ私の事でしょう?」と、優樹は目を細くして言った。
ティナナとロイは、何かと照れていた。
だが、菜々子は早くしないと女王様がどうなっているかを言い、皆を急いでお城に向かわせた。菜々子は、何も言わなかったが、心の中では、ティナナとロイの事を凄いと思っていたのだ。