PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: もう一度、青空を。 ( No.21 )
- 日時: 2016/07/12 18:06
- 名前: あき朱音 (ID: 4xvA3DEa)
- 参照: あの人の過去。
月代先輩が見せてきた写真には、小学校の頃だろうか___今の雰囲気を残したあどけない夜空先輩が映っていた。
けれど、優しい思い出のメモリーなんかじゃない。
写真の彼は、泣いている。
殴られたのだろうか? 小さな頬は腫れている。
責められたのだろうか? 怯えたようにカメラを見ている。
楽しくなかったのだろうか? 笑顔の欠片も見当たらない。
今とは、違った。
「わかるだろう? いじめ、さ」
残酷なことばを聞いて、暮見先輩が息を呑む音が微かに聞こえた。
「……わかるよ」
苦し気に、まるで自分のことかのように声を押し出す。
彼女は小さく苦笑して、アップルティーを一口すすった。
「ソラくんがいじめられている瞬間は、何度も見てたから」
見て見ぬふりをしてしまったのは、私だよ、と。
私もその面で言えばいじめをしていたんだよ、と。
先輩はゆっくりと話し出した。
PR