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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: もう一度、青空を。 ( No.3 )
- 日時: 2016/01/22 22:50
- 名前: あき朱音 (ID: 4xvA3DEa)
- 参照: 手作りクッキー。
「ありがとう! ユウちゃんよく覚えてたね」
にこ、と笑ってその言葉に返したけれど、不思議だなと思う。
なんで僕の誕生日を知っているのだろう。
多分、ホシなんかが勝手にばらしたんだろうな……。後でしつこく問い詰めてやろう。
呑気に考えていると、ユウちゃんがふるふると首を振る。
「…いえ、優しくなんてないのです。
あと、渡したいものなのですが」
いつもの真面目な敬語で、また僕に向き直る。
綺麗な外見も相まって、見つめられるとなんだか目を逸らしたくなる。
眩しくて輝いている、正にそんな感じ。
「うん?」
「……手作りのクッキーを作ってきました」
手作りクッキー……
てづくり……くっき……
「手作りクッキー!?」
「はい」
ユウちゃんは、淡い笑顔で喋るのだった。
僕の。上がり切ったテンションを。置いてけぼりにして。
「確か先輩は抹茶が嫌いでしたし、濃いめの甘さも苦手でしたよね。
だから紅茶味にしました……美味しくなければ言って欲しいのです。
本当は誕生日ですし、ケーキを作りたかったのですが……
重いですし、溶けてしまいますから、クッキーにしたのです」
迷惑だったら言ってください、と一言添えて。
勿論迷惑なわけがない。僕はお菓子は好きなものだし、祝われたら誰でも嬉しいだろう。
でも……抹茶嫌いとか、ユウちゃんに言ったこと、あったかな?
まぁそんなことはいいのだ、全てホシのせいにしてしまえば。
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