コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 木星−始まりの笛、終わりの剱− ( No.6 )
- 日時: 2015/12/13 09:46
- 名前: 虹嶺 ◆SFXAPJ381. (ID: 2CRfeSIt)
【第一章】その笛を国に轟かせ 1-1
オブシディアン王国内#せせらぎの公園にて
「……」
少し足を踏み入れれば、歓声は煩いほどに聞こえる。
ほんっとに煩い。
何時もだったら静かな公園だが、今日と昨日だけは違った。
今日と昨日、このせせらぎの公園では剣術大会が行われていた。裕福とはギリギリ言えないようなラインに居るこの王国は、ドームの一つも建っていない。さすがに建築費が高いのだろう。…でも、どこかに道場があったような…。
まぁ、気にしてもしょうがない。とりあえず、王国で一番広い広場を誇るせせらぎの公園が使用されたみたいだ。
折角昼寝に来たっていうのに…。これじゃあ、寝れなそうだ。
何時くらいに終わるかなと思い、ちょっと会場を覗く。
「決勝戦!…3!」
どうやら決勝戦のようだ。…暇潰しにでも見るとしよう。
なんでか、双眼鏡もポケットの中に入っていたし。
右側にごっついゴリラみたいな男性(以下ゴリラ)。左側に少し痩せてるように見える高校生くらいの少年(以下高校生の子)がいた。
第一印象では、明らかにゴリラの方が強そうに見える。…可哀想に、高校生の子。あんな奴に負けるなんて。
お?高校生の子は、目を瞑っている。そして、静かに剣を構える。
一方ゴリラは、見た目に合った大剣を使うようだ。余裕そうな表情が浮かんでいる。…あぁ、高校生の子が可哀想だ…。
「2!…1!…スタート!」
審判の人がそういうと、高校生の子は目を見開く。そして、ゴリラが余裕そうに笑う。…挑発だろう。
ちなみに、勝負は一回だけ。相手の体に剣を一回触れさせれば、剣を当てた方の勝ち。昔から分からないようだ。
あ、試合の方に戻ろう。
…高校生の子は、挑発に乗ってないみたいだ。何か嬉しい。
その様子にゴリラがイラついてるご様子。…言いだしっぺの法則ってやつかな?
高校生の子が構えていた剣は、白く濁った色をしている。なんで普通の白じゃなかったのか少し気になるけど、まぁ良いか。