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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ★1【病弱少女は愛を恐れ】本編 ( No.5 )
- 日時: 2016/01/03 20:45
- 名前: 佑 (ID: pR7JxfSl)
*
病弱な私は皆にいつも“可哀想だね”っていわれてきた。
そう言われるたびに私の中で何かが失われていく感じがする。
ねぇ、何でかわいそうなの?
私が学校に行けない時があるから?私がもう長く生きられないから?
ふざけないでよ。
そんな言葉はいらない。
「……あぁ、吐き気がする。」
私のために言ってるつもり?
正義の味方みたいにいいこと言ってるつもり?
バカみたい。
可哀想って言われた私はどうなるのよ。
普通じゃないって言われてるようなもんなのよ。
普通じゃないって言われた私は何なの?
「皆皆、同じセリフばっか。」
ここにお見舞いに来た人は必ずそういうの。
聞きあきた。皆私に向って普通じゃないって言ってくるのよ。
やめてよ。
私を本当に可哀想って思ってるんなら表面だけでも可哀想じゃないっていいなさいよ。
普通だよって言ってよ。
(がちゃ)
また誰かが私の病室に来た。
「心ちゃん。来たよ。」
高校入ってからできた友達に話しかけられる。
「ありがと。」
にっこり笑うのももう疲れた。
「心ちゃん、最近病気悪化してるんでしょ?」
「“可哀想”。」
ガラガラガラ
また何かが失った。
「そんなことないよ。皆お見舞いに来てくれるから。」
分かったよ。
可哀想。そう言われるたびに私の居場所が消えていく。
同情が私の居場所を奪っていく。
(なら今の私の居場所はどこなんだろう。)
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