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Re: 女の子は誰だってお姫様、なら。 ( No.5 )
日時: 2016/02/01 18:51
名前: 未草 睡蓮 (ID: dDPEYPay)

 部屋に残された私達は、もう春と冬くらいの温度差ができていた。
 無論ポカポカお日様の春は琴海とその相手。琴海自慢のコミュ力でうまく晴人とかいうのを懐柔できたようだ。
 で、吹雪が吹き荒れる冬。ま、私と、月人って言う奴。私は此奴と仲良くする気なんて更々無いし、当のそいつも只々私を観察している。私なんかより隣の馬鹿妹の方見たら。馬鹿だけど見た目はいいし。


「じゃあ晴人さん、ご案内しますよ!」
「え、いいの?じゃあ宜しくね、琴海ちゃん。」

 突然二人が立って、そんな会話をした。どうやら聞く限り妹の育てている花壇を見に行くらしい。てかもう名前で呼び合うんだね、流石妹。というか大丈夫なわけ、安易に二人になって。自分の身くらい自分で守ってね。
 さて、二人きりに残されたわけだが____


「ッッ!」

 いや落ち着け月人サン。ほら、秘蔵の飴あげるから。ね、深呼吸深呼吸!
だから壁ドンするのはやめよう。

 いや、壁ドンと聞いてときめいたお嬢さん方ごめんなさい、んな生易しいものでは無いです。

 私はソファーに座っていたわけだが。現状私は月人の野郎に胸蔵を掴まれて壁に押し付けられている。痛いです、貴方雨塚家の次男ですわよねぇ?

「なんですか。」
「いや、お前は口説いても靡かなそうだったからな。実力行使だ。」
「ッハァ?」
「色恋沙汰ではない。お前は俺の隣に立つとして相応しくない。だからと言ってあの馬鹿女がいいわけではないが。__いいか、俺は兄貴を押しのけて当主になる。だからお前は当主妻として相応しくなれ。」

 俺様イケメンかよ、ムカつくな、現実だと。つかさっき一人称僕だったじゃん。

「私にメリットは。私は妹と違って馬鹿じゃないので。」

 睨みつけながらそう言う。私ってそれなりに目つき悪いと思うんだけど。

「君は妹を憎んでるんだろ?もっと上から、見下せるぞ。」

 他の奴ならそれがどうした、だけど。

 私の口角は無意識に吊りあがり、気付けば是の意を示していた。