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Re: 女の子は誰だってお姫様、なら。 ( No.9 )
日時: 2016/02/01 19:15
名前: 未草 睡蓮 (ID: dDPEYPay)

「つーか上から見下せるってなんだ…。」

 あの腹黒俺様…月人の口車にまんまと乗せられた私。今考えればメリットでもな__いや、でも今はもういない母のことを、少しでもあの父親、いやクソジジィに思い出させることができるかもしれない。そうだ、それだけで十分じゃないか。これは母の仇討ち、ってとこだ。

_____「琴ちゃん、琴ちゃんは妹ちゃんみたいにお姫様じゃないけど、女の子はみぃーんな、お姫様なんだよ?」

 妹はお姫様で、私はそれの残りカスと陰口を叩かれて泣いていた幼い頃。幼なじみのその子はそう言った。その子はすぐ嘘を吐くし、口も悪い。でも今回ぐらいは___


「信じてやってもいい、か。」




>>>>>>


 ピピピッ、ピピピピッ、ピピピピピ____

「煩い。」

 目覚ましを適当にふっ叩くと丁度止める場所に当たったのか音は鳴り止んだ。
 あ、でもさっきの腹黒俺様に見られたら”相応しくない”ってまた言われそう。気をつけよ。

 朝だというのに頑張って照らす太陽に飽き飽きしながらベッドから降りると今日から着るさもお嬢様!といった感じの制服を着た。

「うん、私にこういうの似合わないな。」

 でも私服というわけにはいかないのです。

 一階におりると既に朝からいらん、ってくらいの豪勢な料理が所狭しとテーブルに乗っていた。どうやら妹はまだだったらしく、父は妹ではないと確認するとすぐに視線を逸らした。
 全部ではないがある程度朝食を食べ終わると特に挨拶をすることもなく家を出る。家から新しい学校__蒼紫学園高等科__までは割と近く、歩きでもいけるのだ。まあ足腰の弱い甘ったれた坊ちゃん嬢ちゃんはそれでも車とかで来るのだが。

 ベージュ色の威厳溢れる、かもしれない校門を潜り抜けた。