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Re: 零fighter山鷹隊 ヨシュア外伝【オグル島の姫君】 ( No.12 )
日時: 2016/02/14 22:27
名前: ワタル (ID: WqtRIGcg)

ヨシュアがカチカチ山を登り始めると地震が起きまーす。

ちょうどこの頃、上の方では岩男が動き始めたところでーす。

『なんだ?地震か?……それとも火山の噴火の予兆なのか!?……どちらにせよ……胸騒ぎがする!先を急がねば!!……忍法!韋駄天走り!』

シュン!シュン!シュン!

わお!スッゲー速さだ!!これならすぐに追いつくっす!

えーと、ヨシュアが近づくに連れ、激しい合戦が聞こえてきまーす。

すぐにヨシュアの目に飛び込んできたのは、四番隊の羅刹と白夜の屍だー!

白夜は叩き潰され、見るも無残っす!
1人だけ、白装束なのですぐ分かりまーす。

羅刹は、大型十字手裏剣だけが落ちてまーす。

砕けた落石の下敷きでーす。

その先に戦国と鬼桐丸が戦っていまーす!

夜叉悟は片膝ついてまーす。
咳き込み血しぶき吐きまーす。

実は結核もちでーす。長くは生きられませんでした。
このことを知っているのは、万蔵だけでーす。

3対2で戦う鬼桐丸と、戦国っす。

2人共、一匹相手にするだけで手一杯だーーー!

岩男が一匹、隙をついて鬼桐丸を掴みまーす。

『ぐはあ!しまった!!』

『大丈夫かぁ!!鬼桐丸!……どわっ!しまった!』

戦国も、油断して掴まるっす!

ピーーーンチ!!

夜叉悟にも残りの一匹が襲いかかるっす!!!

しかーし!咳が止まらず動けなーい!

『ゴホッ!ゴホッ!…くそっ!こんな時に!ゴハァッ!……』

と、その時!!

大型十字手裏剣が飛んできたーーーー!!投げたのはヨシュアっす!上手い!

ブォン!ブォン!ブォン!

ガキガキ!ガキキィィン!

岩男の突進を挫いたーーー!

綺麗な弧を描き他の岩男にも攻撃を浴びせたーーー!!

自由になった鬼桐丸!すかさず斬撃を飛ばす!目の前の敵では無く夜叉悟を襲った敵を玉砕!!

そして鬼桐丸を襲う岩男を、今度は戦国が粉砕する!

『戦国無双!刃天(ばってん)斬りィィィ!!!!』

ズバババン!

ズバババン!


ズシーーン!ガラガラガラ!!

二匹同時に粉砕する戦国卍丸っす!

敵殲滅っす!

『この大型十字手裏剣は!?羅刹か!?』

振り返る戦国、そこには岩の下敷きとなった羅刹の屍があるだけっす……。

既にヨシュアの姿はありませーん。

ヨシュアは見つかる前に、忍法"狩猟豹"使いました!瞬間移動でーす!
この術をヨシュアが使える事を知っているのは、八番隊の連中だけでーす。

『ゴホッゴホッ……かたじけない戦国…鬼桐丸……しかし羅刹……とうに生き絶えたものだと思うたが……執念の成せる技……かもしれぬな……』

2人に心配かけまいと、吐いた血ヘドを隠すように、白夜の屍を拾う夜叉悟っす。

白夜の血を衣服につけるっす。

『……すまぬが……オレは長くは生きれんようだ……此処へ置いて行ってくれ……このまま眠り……羅刹と白夜と共に土に還ろうぞ……』

言いながら、地面に横たわる夜叉悟っす。

『何を言うか!?夜叉悟!後はお頭達に任せてワシらは船に戻るぞ!』

無理矢理担ぎ起こし、下山する戦国っす。

『おい!鬼桐丸!お主も十分役目を果たした!一緒に帰るぞ!』

しかし鬼桐丸は、返事も返さず牙城へ行ってしまったーー!

『フン!好きにしろ!……鬼の子めが……』

鬼の姿のまま、本隊を追う鬼桐丸。

『俺は!お頭達と必ずや万里姫を救い!生涯 共に活躍を続け!その最期まで輝かしく生きるのだ!!!』

(忍さん……少しでも永く 貴女の側でお役に立ちたい……)

密かに想いを寄せる愛する女性(ひと)の名を、心の中で呼びながら、

そう願う鬼桐丸であった……。



……このまま、

[好き]でいられるのなら……。

[想い]は届かぬままでいいと……。


つづく