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Re: 零fighter山鷹隊 ヨシュア外伝【オグル島の姫君】 ( No.21 )
日時: 2016/02/20 16:56
名前: ワタル (ID: WqtRIGcg)

機転を利かせた戦国が、船を牙城近くまで移動をさせます。

ミフネを抱えた月詠が大きな翼を羽ばたかせ、一足先に上陸しまーす。

『ヨシュアーーー無事かぁーーー?』

『お…おう!……ミフネの奴…大声で呼ぶな恥ずかしい……』

『ミフッちゃん重い……』

ドサッ

『おい!八番隊!どういう事だ!ヨシュア!説明しろ!』

万蔵は"美味しい所"を持っていくヨシュアに、嫉妬してやつ当たりするっすw

『まあまあ お頭 落ち着いてw 結果オーライじゃないっすか?…ささw乗り込み下さい!どうぞ×2』

『ん?ミフネか……調子のいい奴め……よーし!船に乗り込み逃げた闇将軍を追うのだ!まだ遠くへは行っておらんだろう?』

『ハイ!お頭!まだあの辺にいましたよ!』

『おほw月詠チャンか!女天狗バージョンは色っぽいのぉーーしかしワシは 普段のあどけない月詠ちゃんがタイプだけどねw』

隣で聞いてる忍さんの顔が、みるみる曇りまーす!
こりゃ…穏やかじゃねぇぞw

『……この(怒)ロリコンの!隠れ薄らハゲ……』

ムギューーーーーーッ!

『いぎゃぁーーーああああ!し!しのぶぅ!さん?』

『『『ドワッハッハーwwwwww』』』

一同大爆笑っす。


すると、加賀美とアスカが、自分達の隊のメンバーがいない事に気付きまーす。

どうやら、まだオグル島に取り残されているようです。

加賀美とアスカは小舟に乗り捜索に行きまーす。
搭載された小型船の中でも一番大きい[10人乗り]の小舟を降ろしまーす。
7〜8人の生存者を想定しての判断でーす。

万蔵達の船は、小舟が他にも何隻か積んであります。

『しかし!こんな所でモタモタしてると 闇将軍を見失うのではないかい?』

『安心して下さい!お頭!既に飛行が得意なジライヤと月詠の2名が追跡に向かいました!』

『ほほう!やるな!八番隊!よしヨシュア!今回の件は大目に見てやろうぞ!』

その頭上を二つの影が飛び去りまーーす。

『おんや?』

見上げると、グライダーに乗った飛竜と飛燕っす!
闇将軍を追っていきまーす!

ここまでくれば、もう任務を遂行した様なもんです。

『おーしw後は飛竜達に任せて祝杯じゃあ!酒持ってこーい!』

いいながら船室に向かう万蔵。

呼びかけに応じ、後に続く仲間達。

『賛成……おい!ミフネ!バジリスクの盃も用意しろ!鎮魂の儀だ……』

『ハイ!美郷さん!只今お持ちしまーす!……おい!大蛇丸!手伝え!』

『は?俺様に命令すんな!手伝って下さい!だろ?』

『カリカリすんなって!大蛇丸!ああ見えてミフネが一番我慢してんだぜ……』

苛立つ大蛇丸をヨシュアが、なだめまーす。

酒を呑み始めまーす。

しかし船首の2人がコチラに来ませーん。

戦国と夜叉悟っす。

ミフネが気を利かせて手を付けてない酒と盃を持っていきまーす。

『お疲れっす!戦国さん呑まないんすか?』

『馬鹿野郎!仲間が大勢死んでるってのに呑気に酒なんて飲めるかよ!あっち行ってろグズが!……なあ?夜叉悟?』

『………鬼桐丸も死んだのか?……』

『……』

トクトクトク

無言のまま、酒を注ぎ盃を配るミフネ。

『おいミフネ!何している!』

『戦国さん……みんな此処にいますよ……見えないだけで みんな此処にいます……』

戦国に罵声を浴びせられながらも、慈悲深く心に語りかける、その健気な態度に心打たれ、誰にも悟られずに静かに涙する夜叉悟。

『おい!ミフネ!馬鹿にしおって!!!耳が聞こえんのか!!!』

逆上して刀に手をかける戦国!
戦国は実力は有りますが、協調性に欠けています。
故に二番隊並みの腕を持ちながらも五番隊に甘んじているのです。
その事を理解しようとしない戦国は、いつまでたっても万蔵に認めて貰えず、反目しているのです。

戦国は本気です!
からかい半分だとしたらミフネは斬られていたでしょう。

ズバ!

しかし!ミフネは目にも止まらぬ抜刀で戦国の首を跳ねる!
いや……ミフネの刀は折れているため首は跳ねれません。

しかし!確かにその殺気と斬撃の刃筋に、戦国の首が斬られ跳ね上がる様を夜叉悟はその眼に見たのです……。


しばし固まる戦国。

まさに"蛇に睨まれた蛙"の如し。


『ゴク……へへ……冗談だよ……ミフネちゃん……おっかねぇ顔すんないw…刀…折れてんならワシのを一本やろうwコイツは斬れるぞ〜w』


『え?いいんすか?やったぜw』

『ははw……(良かったー!笑ってくれたwマジで切れたかと思ったぜ)』

2人の、やり取りを見ていた夜叉悟が、何か思い出したかの様に、無言のまま帯刀していた刀をミフネに渡す。

『え?』

『お主にコレをやろう……』

『これは?』

ソレは、見るも鮮やかな龍の鱗で造られた朱い鞘の大業物拵え。

『コレは いつか来たるべき時がきたら鬼桐丸に託そうと思っていた刀だ……』

『……何故……オレなんかに?』

『理由など無い……お前は まだまだ強くなる……こんな小さな組織は早く抜け出し自分の真の使命を果たせ……大天狗山の巨木鼻と言う男に会うといい……』

無意識に刀を抜くミフネ。

『スゲー……この刀……波紋まで紅く染まっている……』

『紅刃の竹虎……妖刀だ……まともな人間なら刀を抜いた途端に発狂して死ぬ……やはりお前も俺と同じ側の人間のようだな……』


そう言い終わると眠る様に息を引き取る夜叉悟。

体力的には、既に死んでいてもおかしくなかったのです。

そして夜叉悟の魂は刀に宿り、この刀を手にした時からミフネの運命は変わって行くのでした……。

『やしゃ?夜叉悟ぉおおおおお!』

号泣する戦国。

不思議とミフネに悲しみは無い……。
むしろ肉体はミフネだが魂は夜叉悟そのものであった。

これもまた[妖刀]を"持つ者"の[宿命]であろうか……。

船首と船室は離れている為、他の連中は夜叉悟が生き絶えた事を知らない。

そこへ、追跡から帰ってくる月詠。

『万里姫救出成功したみたいよ!飛竜さん達の快進撃カッコよかったぁーーw』

『そうか……それは良かった……』

『え?ミフッちゃん(もしかしてヤキモチ?)』

雰囲気の違うミフネに首を傾げる月詠。

すると船室から大蛇丸が現れた。

『おう!月詠!帰ってきたか?ところでジライヤはどうした?』

『え?ああ…ジライヤは真っ直ぐ飛んでっちゃったw』

『はぁ?何処いったんだよ!って!おい!月詠!お前!何!連れて来やがった!!』

辺りが急に暗くなるっす!

振り向く月詠!

驚愕!!

『クラーーーーケンだぁああああああ!!!!』

叫んだのは戦国っす!

巨大な大海原に生ける伝説の悪魔"クラーケン"

『マズイぞ!攻撃して来る!逃げろ!』


飛び退く大蛇丸!

船体はクラーケンの一撃により半壊!ニ分裂!


沈む船首!

戦国は夜叉悟と共に、巻き起こる渦潮に飲み込まれた!

しがみつくミフネを救い飛び立つ月詠!

船室は突然の激しい衝撃に襲われ大パニック!

ヨシュアの眼には、白い大蛇に姿を変えて巨大な怪物に立ち向かう大蛇丸の姿がハッキリと見えた!

つづく