コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Hello,world! ( No.11 )
- 日時: 2016/02/28 18:16
- 名前: 海の幸 (ID: EwVeSaUz)
「これが主人公というものじゃ……」
そうつぶやいた夜明。
マクベスと夜明の決闘は10秒で片付いた。なぜなら、一瞬でバットを抜き、目にも止まらぬスピードでマクベスに叩き込んだからだ。
勿論、マクベスはその一撃で地に伏した。
そしてそのまま動くことはなかった。
「主人公が……人を殺した」
「いえワッツ様、若干生きております」
顔を青くしながらワッツは少女が大柄なガチムチをぶっ潰すところを見てしまった。
そんな彼とは対照的にキースは冷静にマクベスの脈をとり、生存を確認する。
キースは片腕を上げると、医療隊を呼び出した。そのままマクベスは医療室へと運ばれていく。
「確かに倒してくれとは思ったが殺すとは思わなかったぞ」
「殺してないじゃん、(まあたまたま)生きてたじゃん」
「括弧の中の声聞こえてるぞ」
「迅速にクレープを食したかった」
「クレープのためにこんな瞬殺劇見せられた俺たちはどうすればいいんだ」
はあ、とワッツがため息を付く。それと同時にザワザワと周囲も騒がしくなっていた。
両者同意の上とはいえ、立派な暴行である。
そんな彼らなど知ったこっちゃないと言わんばかりに夜明は視線でクレープを所望していた。
「普通さ、こういうパターンだとバトル展開になって命かけて戦って、根性で勝利しての友情とかさ……生まれるパターンじゃないのか?」
「それをこの小説で求めるな。私の設定は笑わない・汗をかかない・努力しないの3つだぞ」
「もう主人公変えないか?俺王道パターンの主人公がいい。かわいくて胸大きい子。あと家庭的で超絶優しい女の子」
「そんな女はこの世にいると思うのか……」
若干ワッツの性癖が垣間見えた瞬間だった。
夜明は気持ち悪いという表現を包み隠さず顔で表している。キースは表情には出さないが、何も話すことはなかった。
「——さあ、これをアイリス様に勝敗の結果を伝えなければ」
「あ、その前にクレープおねしゃーす」
「……お前はまずマクベスに誤ってこい。あと一歩治療するのが遅かったら脳挫傷だったらしいぞ。あと、手加減しろ」
「手加減しない・容赦しない・妥協しない。それが私」
「クレープは無しだな」
無表情で横ピースを決めやがった夜明に思わずワッツは殴り飛ばしたくなったが、我慢した。
ワッツの冷静な言葉に夜明はゲッと息をこぼした。
「誤ってくる、マクベスさんに!」
「誠意を込めて謝ってこい」
「超反省してるって言ってくる」
いつもは走らない夜明がマクベスに誤るべく医療室へ走っていく。その後継を見て、ワッツはふと、呟いた。
「……アイツにとって命はどのくらいの価値なんだろうな」
「多分250円ぐらいですね」
250円。
それは、週刊少年○ャ○プが買える金額である。