コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Hello,world! ( No.8 )
- 日時: 2016/01/18 21:03
- 名前: 海の幸 (ID: n2LUyceb)
・あらすじ
キースのイケメンが仇となる。
「じゃああんたの目的はワッツをダシにしてキースを掻っ攫いたい……。そういうわけだな」
「『わけだな』じゃない!口を挟むなお前は」
「あべしっ」
とうとう我慢できなくなった夜明は、思ったことを口に出してしまう。
だが、その目の前の椅子に座っているワッツにチョップを食らってしまった。夜明の隣でキースは呆れたようにため息をつく。
「……アイリス……」
「わかりました、お父様」
気まずそうにアイリスの父親は彼女にそっと耳打ちする。白状するようにアイリスは目を伏せ、静かに顔を上げる。
「実は……私、このお見合いが決まった時、ワッツ様の写真とともにちょうど写っていたキース様に一目ぼれしてしまいまして……。それで……」
「ワッツの何がいけないんだ!!お前んちより豪華で金いっぱいあって自由し放題なんだぞ!あとあとちょっとでアラサーだけどそこそこイケメンだ!キースには劣るけど!!お前……ワッツに失礼だぞ!!」
「お前が一番失礼だっつの!!!」
「下がれ」
ワッツとキースの拳骨が同時に夜明に襲い掛かる。
そして夜明は地(コンクリート)に埋まった。
お嬢様の機嫌を損ねていないかワッツとキースはひやひやしていた。
だが、以外にもアイリスはしょげたような表情を浮かべていた。
「……そう……ですよね。こんなワッツ様に失礼極まりないことを……その人の言う通りです」
「い、いや……。さっきの言葉は狂戦士(バーサーカ)の戯言だと思えば……」
「いいえ、私目が覚めました!!」
「え」
自問自答しながら呟くアイリス。そして何かを決意したのか、思い切り立ち上がった。
そんな彼女にワッツとキースは「嫌な予感」を覚えながらも彼女の次の行動を待った。
「そこに埋まっているあなた!気に入りました!私は会社のため、お父様のため、ワッツ様と結婚し、護衛としてあなたを置きます!!」
「おい、ふざけんなクソお嬢様。キースから私に標的入れ替わっただけじゃん」
「お給料は1か月100万でどうでしょう」
「ちょっとお待ちいただきたい。これはあくまであなた様とワッツ様のお見合いだったはず。私とここにいる夜明は一切関係ありませぬ」
慌ててキースはアイリスに呼びかける。
だがアイリスは踏ん反り返りながら言い放った。
「あら、いいじゃない。どうせ結婚するのですから。そうすればキース様も夜明も私のものよ!」
「……どうすんのワッツ。あの嬢様、結婚する気満々だけど」
「……もう嫌だ……」
「嫌だ、じゃなくて」
「……」
頭を抱え、塞ぎ込むワッツ。そのすぐ横で這い上がってきた夜明はワッツに問うが、彼は女の子に振られたハ○ルよろしく、何もしゃべらなくなってしまった。
夜明は意見を求め、キースに顔を向ける。
「……キース、どうする?」
「やむをえないな……。夜明……」
「あいよ」
——————ガシャァァァァァン!!!
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
派手に窓ガラスが割れる。
割ったのは、刀袋に入っていた金属バットを駆使した夜明だ。
無気力になったワッツを担ぎ、キースとともに窓から立ち去って行った。
「に、逃げたわね!?なんて卑怯なの」
3人を追おうと窓から飛び降りようとしたアイリスだったが、部下や父親によって止められてしまった。