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Re: 勇者育成学校では美少女と本気で戦うようです・コメント募集・ ( No.47 )
日時: 2016/02/11 10:27
名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: L0.s5zak)
参照: ちほりん→とらじ、澪羽、*織*→夏目 織、リザ、桜里

【▽番外編】
【▼チョコレートには契約が付き物!?】

 今日は二月十四日。
 女子が好きな男子にチョコレートを上げたり、友達に友チョコを渡したり──簡単に言えば、甘くて、カップルが増える日だ。
 無論、俺には関係ない。
 毎年貰えるのは姉から──だが、俺は寮生活のため姉がここの学園の住所を知らない限り──いや、知っててもチョコレートが溶けてしまうが──来ることはない。

「未来の勇者様ーっ! お命くださあぁぁぁ!」

 !?

「うわっ!? え、ちょ、何!?」

 突然のことに驚きを隠せないまま、俺は地面に尻餅をつく。
 うん、えっと、一旦落ち着こう。

「えっと……誰……?」

 飴の形をしたデカイ物体を掲げて、目の前の少女にそう言う。
 制服は着てなく、猫耳がついた袖の長い──萌え袖──を着ていて、身長は低そうだ。
 いや、容姿よりも。さっきの言葉。

「猫田リリィ! さぁ、首を差し出すのです!」

いぇい☆と、ピースすると猫田の瞳は怪しく光った。ホント、猫みたいだ。

「は!? え、何!? 首って!? 命って!?」
「何って……そのまんまに決まってるじゃないですか! 勇者様の首を貰いに来たのです!!」

 ──あぁ、バレンタインデーが俺の命日か?
 でも首と命なんて何に使うんだろう──

「リリィ! ユウは私たちの〝モノ〟だ!」

 お、いいところに四天王登場!
 ──ん? 喜んでる場合じゃないぞ?

 今、ルルカ何て言って──

「そうだよ! ユウは私たちのなんだからねっ! いくらリリィちゃんでもこれだけは譲れないよ!?」
「ホントホント。先にユウを見つけたのは私らなんだから!」
「──と言うことで、引き下がってくれる? 目障りなの」

 モノ、よりも皆が怖い。
 メイは明るくいいながら短剣を振り回す。
 リミはビシイッ!! と剣を猫田に突き付ける。
 小羽は手を猫田にカザして魔法の準備を──

 あれ、武器と魔法厳禁って校則に書いてなかったっけ。

「むうぅ〜! それなら最終手段!」

 はやっ! 猫田最終手段使うのはやっ!

「勇者様、これを受けとるのです!」

 やっと立ち上がって見ていた俺に、猫田は正方形の薄い箱を俺に手渡す。
 赤いリボンで止められていて──あれ、これもしかして──。

「リリィが昨日徹夜で作ったんですよ!」

 やっぱり、チョコレート──
 ────が、喜んだのもつかの間。

「チョコレートを食べる代わりに、首と目を差し出すのです! さぁ、契約書にサインを!」

 ピラッと見せられた紙には、確かに契約書と書かれていた。

 チョコレートを食べるのに首と目を差し出す……!?
流石に犠牲が大きい気が──

「あ、じゃあ要らねぇわ。」

 変えそう。首と目を渡すくらいならチョコレートの一つや二つ……。

「リリィ、そのチョコ少し貸してくれない?」
「ほぇぇ?」

 裏がありそうなにっこり笑顔の小羽に猫田は疑問を持たず、チョコレートを渡す。

──ボワッ!

 パチン、と小羽が指を鳴らすと同時にチョコレートの箱は炎に包まれた。

「ふぇぇ…!? 小羽ちゃん、酷いです! リリィが何をしたって言うんですか!?」
「目障り、って言ったじゃない。──あぁ、あと耳障りも追加ね」

 ──こえぇ……。
 女子ってこえぇ……。

 チョコレート一つでこんなになるとか……。

 あぁ、貰ってなくて良かった。

────────

新キャラ登場です。
本当はもうすこしマシなキャラでした。