コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 勇者育成学校では美少女と本気で戦うようです・コメント募集・ ( No.53 )
- 日時: 2016/03/12 10:21
- 名前: 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM (ID: lFU56UAk)
- 参照: ちほりん→とらじ、澪羽、*織*→夏目 織、リザ、桜里
【▽番外編】
【▼プレゼントには本人が望むものを】
二月二十二日。
語呂合わせが〝にゃんにゃんにゃん〟で、世間では〝猫の日〟と呼ばれるこの日。俺はいつもと変わらないはず──だったのだが……。
「ユウ、どうしたの? ほら、ケーキ食べなよ。美味しいよ?」
輪飾りやら何やらが沢山飾られた派手な部屋。大きな長方形の机にはケーキやらスイーツやらジュースやら沢山ある。
はい、といってフォークとケーキが乗ったお皿を渡してきたのはルルカ。
「……あ、ショートケーキ嫌い? チョコもあるけど……」
「──あ、いや、そういうことじゃない……。ありがとう……」
真っ赤なイチゴが乗った三角形のショートケーキ。見るからに美味しそうだ。
食べたいけれど、食べれない。
「勇者様ーっ! プレゼント決まりましたか?」
HappyBirthday、と書かれたケーキがたの帽子を被りながらぴょんっと飛んできたのは猫田。
──もう分かったかと思うが、今日は猫田の誕生日であり、今は誕生日パーティーの最中だ。何故か俺も呼ばれた。
「い、いや、まだ考え──」
「決まらないなら首か目でもいいのですよ!」
俺の言葉を遮って、満面の笑みでそう言う。こえーよ。それだったら何か今すぐ買ってくるわ。
「プレゼントは、本人が望むものを☆」
またいつかのいぇい☆のポーズをしてパクッと俺のケーキにのってる苺を食べた。返せ。俺のイチゴ。
「それじゃあ、待ってるです♪」
一言そう言うとイチゴの代わりに砂糖で出来た猫のお菓子をケーキの上に置いていった。あの、硬いやつだ。食べるのが大変な。
「……はぁ……」
プレゼント、何にしよう……。
体の一部を差し出すのは嫌だからな……学校の近くに雑貨屋ってあったっけ?
「ユウ、ケーキたべないの?」
「あ、いや、食べるよ」
もういいや。食べちまおう。
パクッとケーキを一口口の中にいれる。甘いのはあまり好きではないが……そんなに甘くはなかった。猫田のケーキだし凄く甘いと思ったのだが。
「皆ーっ! 届いたよー!」
と、大声で叫んだのは猫田。手に持っているのは……ピザだ。宅配の。
「ピザだー! おいしそーっ!」
すぐに食いついたのはメイ。流石似たもの同士。
「メイ、まだ食べる気なの……?」
呆れたように口にする小羽。そういう小羽もマカロンを頬張る。いつのまにか山盛りだったマカロンは少なくなってて、お皿の底が見えていた。きっとほとんどが小羽だろう。
「そういう小羽も食べてるよね〜」
届いたピザを早速開けて頬張るリミ。……二人とも、人の事言えないぞ。
「ユウ、この猫ちゃん貰っていい?」
「ん? あ、どうぞ」
先ほどイチゴの代わりに置かれた猫は、ルルカの口の中に入っていった。
気づけば回りはスイーツを頬張る女子と焼きたてピザの香りに包まれている。
「俺も、ピザ食べ──」
食べようと思い、机に手を伸ばしたが──開いてあるピザにはパイナップルがのっていた。……あれか、トロピカルピザ的なものか。
まぁ、美味しそうだし一応食べるけどな。
「みんなーっ! チキンだよー!」
今度は猫田がチキンが入ってるであろう箱を抱えて来た。
……待て、まだ食う気なのか?
思わず猫田に目をやると、口パクで言われた。
〝プレゼントは、目だけでもいいからね。勇者様〟
……絶対、体の一部なんかあげるもんか──!
そう思いながら俺はピザを口にいれた。