コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 渦中に進む ( No.1 )
- 日時: 2016/01/21 05:13
- 名前: 明太子 (ID: nbzMXegi)
冬になり、山も雪化粧をする今日この頃
俺、藤崎湧水は受験勉強に追われていた
中学3年と言えば高校受験。
しかし俺は頭が悪く、高校が決まっていなかった。
漠然とした未来予想図にはとりあえず働きたいという考えしかなかった。
働いて、金を稼いで、好きに遊びたい。
しかし人生はそう甘くない
あれよあれよと月日は過ぎ、季節は入学から2度巡ってもう受験シーズン。
(まさに光陰矢の如し、月日が過ぎるのはここまで早いか。)
そう思わざるを得なかった。
遅すぎたのだ、気付くのが。
もう少し早くに、というのはもう考るのも嫌だ。
俺は嫌な気分を振り切り、隣を歩く親友を見た。
俺の視線に気付き、こちらを見てイタズラ気に笑い脇腹をつついて来るコイツ
笹本 狼谷 俺の小学校以来の親友だ。
体型はスレンダーなチビッ子、性格はその細い体にイタズラ心を詰め込んだ奴だ。
顔は性別を間違えてるレベルの女顔だ、だが男だ。
俺の親友は面白い奴である
人をバカにするが、それは真に怒らせる訳でもなくじゃれあいの種になる程度だ。
名前に狼が入っているが、どちらかというと性格は犬。
かまってちゃんなのだ
ついでに困ったちゃんなのだ。
そんな親友には昔から一つ不思議な所があった。
バカで不器用なアイツだが、ケガの手当や刃物の扱い、食材の解体が大の得意だ。
調理実習の時も手際良く魚をさばいていったし、保健委員の実力ある委員長だ。
実際に低体温症になった生徒を助けている、正しい応急処置で。
要するにサバイバル能力がアホみたいに高いんだ。
自分が骨折しても冷静にその場で応急手当をしたり、膿が溜まった所に熱した針を平然と刺したり。
なんかどこかぶっ飛んだ奴なのだ。
帰る方向は同じで、家は隣り合わせなので家族ぐるみの付き合いがある。
それゆえ今日も俺の家で勉強をする予定だったのだが..........
「お願いします!我が校に入学して下さい!」
どうしてSPつけたガタイの良いオニーサンに土下座されてるんですかねぇ
俺の親友は.........そんなにエラい人だったのか?