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Re: —+;*:近くて遠い距離;*:+— ( No.2 )
日時: 2016/01/29 22:12
名前: 佳織* (ID: kI1tZ/UV)

#1:失恋と恋の予感。




好きだって 気がついた時には
いつも手遅れだった——。



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「ずっと前から好きでした…よかったら、つき合ってください」

震えて小さくなっていた声を
必死に絞り出して…
やっと言えた、 人生初の告白。


———でも。


「———悪い。俺、可憐のこと…そういう風に思えない」



頭では分かっていた。
きっと、 こう返ってくること。




あたしは少しの間を開けた後
笑い飛ばしながら答えた。



「そっか…そうだよねっ!!あたしったら何言ってるんだろー」


胸が痛い、 苦しい。
今すぐ逃げ出したい。

そんなマイナスの感情ばかりがあたしの中で大きくなっていた。


「……ごめん」
「あっ…謝らないでよ。ぜんっぜん爽は悪くないしっ!!」

暗い表情で謝る爽に慌ててあたしはそう返した。
本当にやめてほしかった。

だって

そんな顔して謝られたら


余計に辛くなるじゃんか…。




「てか、謝るのあたしの方だし。……ごめんね困らせて。今の告白、忘れて——」




最後にボソッとそう言い残してあたしは
爽の横をすり抜けて二人っきりだった教室から出た。

爽はそんなあたしに何て言葉をかけたらいいのか分からず
黙ったまま、 その場に立ち尽くしたままだった。




教室の扉を閉めて
廊下を足早に駆けて…下駄箱へと向かった。




「ほんっと…バカだなぁ…あたし」



フラれるのは分かってたのに。
爽があたしなんかを好きなわけないって
分かってたのに。



なのに。






溢れる涙をあたしは止めることができなかった。




「っ…ヒック…」


声を殺して泣いていると。


「…どうしたの?」


突然、耳を差した声に。
あたしはビックリして振り返った。

そこにいたのは。




「何、泣いてんの?」



同じクラスの……如月琉生だった。
面識はあるけど、 こうして改めてお互いの顔を見ながら話すのは初めてっていう間柄だった。



「なっ…なんでもないからっ!!ごめん、 ヘンなところ見して。じゃあねっ!!!」

クラスメイトにこれ以上、泣いている所を見せたくなくってあたしはその場から逃げる様に走り去っていった。

その時。

勢いよく腕を掴まれた。



「……えっ……」


予想外の事に頭がついていけなくって。
あたしは唖然と立ち尽くしてしまった。

如月くんはゆっくりと口を開く。


「……よかったら、 これ使って」


それだけ言うと、如月くんはあたしの手の中にハンカチを入れた。


「じゃあな」


ハンカチを渡された。
ただ、それだけの事だったのに
あたしの鼓動はドキドキしっぱなしだった。


やだ、 何ときめいてるの?
あたし。



たった今、フラれたばっかりで
恋なんかしばらくいいってそんな状態だったのに。




なのに。












なんで、 こんなにも… 胸の高鳴りが抑えられないの??