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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人彼女の可愛いところ。 ( No.2 )
- 日時: 2016/02/05 07:05
- 名前: 青空苹果 (ID: dDPEYPay)
「はるくんはるくんはるくん!!!」
「どうした?」
突然天井から降りてきた夏乃に僕は驚かない。彼女は本当に神出鬼没で、これで驚けばきっと彼女を喜ばせることになるだろう。
「あのねはるくん、転校生だって!」
何が嬉しいのかよくわからないけど、にこりと笑う夏乃に思わず自分も口元が弧を描く。それをクラスメイトの何人がちらほら見ているが知ったことではない。ああ可愛い。非常に愛らしい。しかしそれを顔には出さずに「よかったね」と笑う。
「どんな子かなー? 仲良くなれるといいな!」
「うん。なれるんじゃない?」
「ほんと!」
彼女は少々特殊だが相手の警戒心を解くのは得意だ。ちなみに僕はあまり得意ではない。
が、しかしだ。もしその転校生とやらが男だったら___。
そこまで考えたところでHRの鐘がなった。夏乃を机に戻すと、自分も席に着いた。
「はい、今日はご存知のとーり、てんこーせーがいまーす。」
教師でもあるその人は気だるげにそう言うと、教室のドアの向こう側から転校生を引っ張ってくる。
「じこしょーかいしてねー。」
「え……あ、拓良御門です。よろしくお願いします。」
大声で「よろしく!」と言う夏乃に困惑する拓良。無論クラスメイトは慣れているのでいちいち反応はしない。拓良は一番後ろの席の__夏乃の隣になったようだった。
「ねえねえ! みかちゃんって呼んでいい!」
「え、みかちゃん……? そ」
「みかちゃんって呼んでいい!」
「え、でも」
「みかちゃんって呼んでいいよね!?」
「……うん、わかった。」
どうやら拓良はみかちゃん、になったようだ。拓良は諦めたような顔をしているが満更でもなさそうだった。
結局夏乃と拓良ことみかちゃんはずっと喋っていた。
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