コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 私の恋は空を掻く 1-1 ( No.1 )
- 日時: 2016/02/07 09:47
- 名前: スーフィリタ (ID: 1xlwHmTN)
「んん。。。。。。」
私はゆっくりと、上半身だけを起こした。
ここはどこだ。病室か?にしては豪華だ。調度品が五ッ星ホテルのような物だが......。
____ガララ____
部屋のドアが重そうな音をたててあいた。入って来たのは、胸までの栗色の髪を3つ編みにして垂らしている、メイドのような姿をした女だった。
「お嬢様!お目覚めになられたのですか?」
お、お嬢様?!なぜだ、お嬢だったのか、私は。思い出せない。
「お前誰だ。お嬢様ってなんだ?私は誰だ。」
そう言うと、メイドは目を見開いた。
「なにも覚えていらっしゃらないのですか?」
「あぁ。なぜここにいるのか、お前が誰なのか。私は誰だったのか。」
そう、何も知らない。思い出せない。
「あなたは神谷家の一人娘様で、ここから数km離れた場所に大きなお屋敷がありました。」
ありました?今はどうなっているのだろうか。
「けれど、ある日突然お屋敷に日が放たれ、跡形もなく燃え尽きました。それがつい五日前です。
お嬢様は奥様を助け出そうとされ、ですが奥様はお嬢様を生かす事を選ばれました。」
ということは.........、母は亡くなったということか?
私は呆然とし、室内はしばらくの間静寂に包まれた。
- 私の恋は空を掻く 1-2 ( No.2 )
- 日時: 2016/02/08 19:08
- 名前: スーフィリタ (ID: YaNMSBwn)
ありえない。私の、私の右目ぇ!火傷で右目を失うだなんて!
〜〜〜〜〜〜
今日は医師による、退院検診だった。
『石田、この右目はどうなっているのだ?』
この間のメイド_イグルと言ったか_が、母の死を告げた時、無意識のうちに涙が出てきた。
涙を拭った時、初めて気付いた事がひとつ。右目に着いている眼帯に疑問を持った。
『先生くらい付けてくれてもいいじゃないk』
『さっさと答えろ。』
やれやれ言うようにと、石田医師は肩をすくめた。
『蘭羅君はお母さんを助けようとして、事故現場にしばらく留まっていた。その時に、焼け落ちた家の一部が蘭羅君の右目に触れ、火傷をした。』
な、な.........。
『右目を見ることはできないのか?』
そう言うと石田医師は、急に険しい顔をし、首を振った。
『見ない方がいい。とてつもなくグロいよ。』
グ、グロい..................。グロいのは苦手だ。
おそらく、目が溶けてしまっていたりするのだろうか。考えると震えが止まらなくなった。
_ガララ_
『お嬢様。退院の用意が整いました。』
イグルが報告に来た。
『分かった。石田、今まで世話になった。』
『検診、忘れるなよー。それから!その男言葉やめろよー!』
私の背中を追うように石田の声がかけてきた。
『余計なお世話だ!_____ありがとな(ボソ』
後ろの方で石田と看護師が微笑んでいるような気がした。