コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 私の恋は空を掻く 1-2 ( No.2 )
- 日時: 2016/02/08 19:08
- 名前: スーフィリタ (ID: YaNMSBwn)
ありえない。私の、私の右目ぇ!火傷で右目を失うだなんて!
〜〜〜〜〜〜
今日は医師による、退院検診だった。
『石田、この右目はどうなっているのだ?』
この間のメイド_イグルと言ったか_が、母の死を告げた時、無意識のうちに涙が出てきた。
涙を拭った時、初めて気付いた事がひとつ。右目に着いている眼帯に疑問を持った。
『先生くらい付けてくれてもいいじゃないk』
『さっさと答えろ。』
やれやれ言うようにと、石田医師は肩をすくめた。
『蘭羅君はお母さんを助けようとして、事故現場にしばらく留まっていた。その時に、焼け落ちた家の一部が蘭羅君の右目に触れ、火傷をした。』
な、な.........。
『右目を見ることはできないのか?』
そう言うと石田医師は、急に険しい顔をし、首を振った。
『見ない方がいい。とてつもなくグロいよ。』
グ、グロい..................。グロいのは苦手だ。
おそらく、目が溶けてしまっていたりするのだろうか。考えると震えが止まらなくなった。
_ガララ_
『お嬢様。退院の用意が整いました。』
イグルが報告に来た。
『分かった。石田、今まで世話になった。』
『検診、忘れるなよー。それから!その男言葉やめろよー!』
私の背中を追うように石田の声がかけてきた。
『余計なお世話だ!_____ありがとな(ボソ』
後ろの方で石田と看護師が微笑んでいるような気がした。
- Re: 私の恋は空を掻く ( No.3 )
- 日時: 2016/02/09 05:54
- 名前: 暁 ゆら (ID: I1.lOxPt)
始まりが衝撃的でした!
しかも次はお嬢様という。。
展開がぜんぜん予測できなくて、
驚きの連続って感じです。
題名は恋だから、どうなるんだろう!!
- 私の恋は空を掻く 2-1 ( No.4 )
- 日時: 2016/02/11 15:14
- 名前: スーフィリタ (ID: YaNMSBwn)
これは......夢、なのか?
夢にしては、現実味のありすぎるものだ。まるでこの出来事が本当に私の見に起こったことのようで..........。
今、目の前で大柄な男が華奢な女を、握り拳で殴っている。
『ぃ...うぅ、ひゔっ!あな...た、グハッ......』
男は収まりを見せず、殴り続けた。
『お前はっ.....本当にっ、役立たずな...クソ嫁だ!そこの娘が、あんな.....クソみたいな子供に育っ.....たのも、全部、全部お前のせいだ!』
娘?私はこの夫婦の子供なのか。
___バキッ___
ふと、妙な音がした。まるで骨が折れたかのよ......う。
『やめて!お母さんを、お母さんを殺さないで!』
気づくと私は、女の前に立ちはだかっていた。
私はこの女を、母として認識しているのか?
そんなことを考えているうちに、男の顔は先ほどよりますます憤ってきた。
『このっ、子供が出しゃばるんじゃねぇぇ!』
男はそう叫び、その手を私の首にかけた。
ーーーコロサレルーーー
そう思うのも束の間、首を両手で掴まれ、男の頭上に持ち上げられる。
『死ねぇぇぇぇぇぇ!!』
一気に手に力が込められる。
『ぁぐっ!ぐ、ぐるじ、ぁひっ!』
私は幼い、情けない声を上げる。
___ガチャッ バラバラバラ___
ドアの所から扉が開く音と同時に、大勢の足音が家に入ってきた。
男は動揺し、手にかけられた力がなくなった。
私は男の手から落ち、地面に衝突する直前で、左足を骨折した母に抱かれた。
安心した私は、いつの間にか泣きじゃくっていた。
『怖かったね、怖かったね。もう大丈夫よ。ほら見て。かっこいい警察さんいるよー』
と、母があやしてくれた。
警察官たちが男を取り押さえて出て行く直前で、私は男の方を見た。
その時に見た男の顔は、憎しみと憎悪に溢れていた。男の顔は、しばらく私の頭から消えないだろう。