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Re: カワルミライ ( No.7 )
日時: 2016/02/07 21:16
名前: むつ (ID: HSAwT2Pg)

 いつもの朝、入道雲・・・・・・は無く、あるのは飛行機雲のみ。ほぼ快晴。今、私は、玄関の前にいる。そして、玄関にかけてある看板を手にした。そこには《【カワルミライ】今日はおしまい! また明日どうぞ!》と書いてある。私はその看板をひっくり返す。そこには、《【カワルミライ】やってます!》と書いてある。
 私はそれの微妙なずれを直し、言った。
「さあ、開店だ!!」
 今日はお客さん来るかなー? まあ、来なかったら来なかったでパソコンやってるから別にいいんだけど・・・・・・。実は貯金もたんまりあるし。
「ねえ!」
「はい?」
 声がした方向を見ると1人の女の人が立っていた。服装はほぼゴスロリに近い感じだ。その女の人が威張るように私に言い寄る。
「ここって、過去や未来を思いどおりに変えられるって店なの?」
「ああ・・・・・・。そうですけど・・・・・・。あの、もしかしてi」
「依頼よ!」
 この女の人私の言葉を遮りやがった。この人・・・・・・苦手なタイプだ!! しかし私はこの人がお客さんということが判明したので怒りを抑えながら対応する。
「そうですか・・・・・・」
「で?店主は?」
 私が出はここにお入りくださいと言おうとしたのにまたも女の人は言葉を遮った。この人ほんとに嫌だ。しかし頑張ってその怒りを面に出さないように言う。
「私ですけど」
 それを聞いて女の人はふざけんじゃねぇよというように私を睨みつける。
「は? バカなこと言わないで? 私を誰だと思ってるの?」
「いや、名前を名乗られていないので誰だか知らないですし、それに本当のことですから。私が店主だって事」
 しかし女の人は信じてくれない。むしろ自信満々にこう言ってきた。
「そんなわけないじゃない。噂だとイケメンな店主とそのイケメンな店主をアシストするスタイル抜群な美人な人がやってるって聞いたわよ」
「!? 何その噂!? そんなの流れてるんですか!? まあ、男の人と一緒にやってた時もあったけどいまは1人ですよ?」
 彼女はつまんなそうな顔をする。一気にテンションだだ下がりだ。
「そうなの? じゃ、またにするわ」
「!?」
 は!? まって!? 何この人・・・・・・。
「え・・・・・・。なんでですか?」
「だって男の人がいないならつまらないもの」
「男目当て!?」
 うそでしょこの人!!
「それで?」
 女の人はため息混じりに言った。
「?」
「男の人はいつならいるの?」
 ああ、そういうことか・・・・・・。女の人は上から目線でむしろさっきよりグレードが上がって腕組に壁に寄り添い、足を組むというムカつく行為をとっている。
「わかりません」
 私は即答した。返すのにかかった時間はわずか1秒。 彼女は眉間にしわを寄せる。
「はぁ?」
 まあ、しょうがないけど・・・・・・。思い出すのも嫌だけど説明するか・・・・・・。
「行方不明なんですよ。半年前から。ある時を境にいなくなっちゃって・・・・・・。いまどこでなにやってるんだかもわかんない状況で・・・・・・」
 それを聞いたら彼女の気分は下がると思ったがむしろ逆で彼女はニヤニヤと笑い出した。とても楽しげな表情になっていた。
「ふぅん。逃げられたということね。ま、アンタほどに魅力がない女なんて逃げられて当然よね」
 ・・・・・・・・・・・・。(ブチッ) あ、なんか私の中で音がした。何の音だろ? でも、一つだけいえることは・・・・・・。
「さっきから思ってたんですけどあんた何様のつもりですか? いやお客様だと思うのですが、でも、さすがに私はもうあなたの顔面を殴り飛ばしたいぐらいに怒りが大きくなってきたんですけど」
 ということ。って、あ、言っちゃった。言ってしまった。つい本音が声に出てしまった。あーやってしまった。まあ、しょうがないか。相手も・・・・・・。
「そうなの? あとね、あなたにとって私はお客様なのよ!お金がほしいなら、私に従いなさいよ」
 ・・・・・・。もうこの人とは関わりたくない。
「そうですか。では、私から一言、言わせてもらいます」
「どうぞ?」
 女の人は余裕綽々な顔で言ってきた。・・・・・・ムカツク。
「そんな客はお断りです」
「は?」
 女の人はさっきの余裕そうな顔と変わって、目を点にしていた。けど私は気にしない。
「もう、ここには来ないでください」
 そう吐き捨てるように言って、私はドアノブに手を掛ける。
「え!? ちょっとっ! ちょっとまって」
 私はその言葉を無視し、ドアを開けて家に入り、ドアの鍵を閉めた。