コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: カワルミライ ( No.9 )
- 日時: 2016/02/07 21:37
- 名前: むつ (ID: HSAwT2Pg)
助けてって言った。あんなこと言いながら、私に助けを求めている客がドアを挟んで私の真後ろにいる。泣き声が聞こえる。嘘じゃない、本当に涙を流してる。
私はどうするべきだろうか? そんなこと悩む必要はない!
私はドアノブに手をかける。玄関のそとの入り口付近にはさっきのムカつく女の人がうずくまっていた。さっきとは大違いだなとか思いながら私は女の人のとなりにしゃがみこむ。
それに気がついた女の人は、ファ!? というわけのわからない奇声をあげ、それから
「あ、、、あ、、、」
挙動不審になった。そんな女の人に私は頭にてをかけ、
「辛かったんですね、依頼、受けますよ。私の出来る範囲内でなら」
出来る限り優しく微笑んだ。それを見て女の人は、眼をまん丸にしてさっきよりも大粒の涙を流し始めた。
「あはは、泣かないでくださいよ。ほら、ここは外ですよ? いくらここがマンションの6階だとしても、となりの方が来るとあれですら、今まで来なかったことが奇跡ですが。まあ、ほら、中に入りましょう」
私は女の人を宥めながら店の中に入るように案内する。
そうしたら女の人はありがとう・・・・・・ありがとうと言って少し涙をこらえ始めた。
私は女の人を例の部屋に案内すると紅茶を入れ、渡し、席についた。そして、女の人が落ち着いたのを見計らって話を切り出す。
「落ち着きましたか?」
女の人は少し微笑んだ。
「うん、ありがとう」
うん、大丈夫そうだ。私は本題に移った。
「では、あなたのお名前、ご年齢は? 今回はなんの依頼がありこちらへ」
「私の名前は、長谷川 虹那(はせがわ こうな)、18才。依頼は・・・・・・それは・・・・・・」
まさかの女の人とはタメだった。話を進めるために私は相槌を打つ。
「それは?」
そして、女の人・・・・・・長谷川さんは重く、険しい雰囲気でいった。
「家族を元どうりにしたいの」
「ほう」
私は少し驚いた。何故ならばもう少し自己中心的な依頼が持ちかけられると思っていたから。まあ、少し失礼かもしれないけれどそう思っていた。でも、そうじゃなかった。
ポーカーフェイスを保ちつつ、長谷川さんから依頼の内容を詳しく聞くべく、優しく微笑む。
「では、なぜ、その依頼を私に持ちかけたのか、経緯の説明をお願いします」
「私の家庭は、どちらかというと裕福な方で、お母さんとお父さんがいて、私は一人っ子。お手伝いさんも何人かいた。平和に過ごしていたんだよ。2週間前まで」
長谷川さんはとても辛そうな顔をしながら言葉を紡いでいく。
「というと? その2週間前になにかが起こったのですね」
「うん。そう。起こった。悪夢が始まってしまいました。というか、悪夢はそれよりも前から少し始まっていたのだけれど、それが発覚して手遅れ状態になっていたのが2週間前なんだ」