コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 気まま自由な短編小説 『イベント期間中!』 ( No.119 )
日時: 2016/04/07 23:13
名前: 彩都 (ID: tVX4r/4g)

『アフロとリーゼント』

 よしっ! 今日から高校だ、俺の名前は垣玖懸琥(かきく けこ)、今日から転入生だ、俺はヤンキーになるぜ! その為には、見た目を少しでも変えなければならない!
 俺は理髪店でリーゼントにしてもらった、今日から高校デビューだぜ!

 そして、学校の前に来る、俺は深呼吸して、ヤンキーになるぜ!
「ちッス! 俺は垣玖懸琥! 趣味は喧嘩! 好きな物は戦い! 何時でも喧嘩するぜ!」
「はい、垣玖さんの紹介でした……」
 俺は何時でも喧嘩出来る様に、クラスの周りを見遣る──何だあのアフロ野郎は!?すげぇ変な奴だ!
 そう思いながら、ソイツの事を見ていると先生が言った。
「んじゃ、あのアフロの隣な、垣玖」
「えっ!? そんな!? 何でアイツの隣に!?」
「良いから座れ」
「……お……おう……」
 仕方無く俺は座る事にした、すると、アフロが話しかけてきた。
「おう、お前、新入りかぁ……俺は愛飢夫(あい うえお)、愛に飢える男だぜ? 早く真実の愛に出会いたいぜ!」
 ……名前どおりの人間だなぁ……そう思いながら、俺は不貞寝する事にした……

「おーい、垣玖ー? 遊ぼうぜー?」
「何で俺はお前と親しくしなきゃいけないんだよ!? 俺はヤンキーだぞ!? お前はビビらないのかよ!?」
 すると、愛は言った。
「何でビビらないといけないんだ? 俺はお前と友達になりたいだけなのに……」
 ……何か調子が狂うな……そう思いながら、俺は一人で帰る事にした。

 あれから毎日俺の事をストーカーする愛──いい加減にしろよ──うんざりなんだよ、こういうのは……そう思いながら、家に帰った。
「ただいまー……母さんは男遊びか……」
 俺の家庭は母子家庭だ、父親はもう死んだ、その日から、母さんは毎日千円を机に置いて(俺の昼飯代、晩飯代)、何時も外に出ている、何時もは俺が帰ってくる時間、夕方七時にはもう帰ってきてるのに、今日は居なかった、まぁ、こういうのは、多々ある訳ではないが、週に一回は有る。
 まぁ、母親なんて居なくてもいいが。
「今日は何を作ろうか……?」
 リーゼントを解いて、頭に三角巾を巻く、そして、今日は何にするか悩む、チャーハンでいいか、そう思いながら、パッパッと作っていく、そして、完成する。
「これでいいか……」
 そう思いながら、一人で晩御飯を食べる。
 一人ぼっちの晩飯は何度も行ってきた、だけれど、今日は一段と寂しかった……

 翌日……
「おーい! 垣玖ー今日こそ遊ぼうぜー?」
 愛の声に俺は不貞寝から目覚める──案外大きな声の持ち主の愛に、少しうざがりながら、俺は答える。
「あー、面倒だなぁ……分かったよ、今日は、何処に行くんだ?」
 すると、愛はキョトンとする。
「……えっ? ツンデレ? エロゲーで言うツンデレですかぁ? かーわいいー」
「なっ!? 何だよ! お前が煩いからだろ!」
「まぁ、そうだけどね──よし! じゃぁ、クレープ食いに行こうぜぇ?」
「乙女か!」
んまぁ、仕方無く、クレープを食いに行く事になった──俺はあまり甘いのは食べれないので、バナナクレープにした、愛はチョコクリームクレープにした。
 久し振りに食べたクレープの味は懐かしかった……

「あー美味かったな、久し振りに食べたぜ」
「久し振りなのかよ……だったら、他の所でもいいじゃねぇか……」
 俺はそう言いながら、愛に言う。
「ていうか、何でクレープなんか……」
「いいじゃねぇか……美味しかったんだし」
「そうだけど……」
 そう言いながら俺は家に帰った。

「ただいまぁ──誰も居ないなぁ……」
 今日も母親──母さんは居なかった、何でだ……そう思いながら、今日も晩御飯を作る事にした、
 今日は、ラーメンにするか、土鍋に少しのすき焼きを作って、ラーメンを入れる。
 俺は母さんがいない時があるので、一人で料理を作れる様になったのだ、少しは料理が得意だ。
 まぁ、それを振舞う相手は居ないけど……すると、頭の片隅に思いつく人物が居た、愛だ、愛にこういう料理を振舞ったらどうだろうか?あいつは少し喜ぶかもしれない……よし、明日誘ってみるか? うん、そうしよう、そう思いながら、すき鍋を食べた。

 翌日……
「お゛ばよ゛う゛──」
「って、どうしたんだ、その顔は!?」
 愛は、顔を──右目にコブが出来ていた、唇も少し切れていたりしていた──俺は事情を聞いた。
「なーに、お前と帰った時、少し不良に絡まれて、ボコボコにしただけだよ、勿論、帰り散らしたぜ!」
「お前……勝ったのかよ……」
 俺は少し焦る、コイツって喧嘩強そうだな……そう思いながら、朝の予鈴が鳴る、仕方無く愛は笑いながら、椅子に座った。
 此処からだった、少し愛が気になったのは……何でこんな格好なのに喧嘩が強いのか? アイツの家は何処なのか? アイツは一人で住んでいるのか、実家暮らしなのか? どんな考えが頭を過ぎる、そして、今日、俺は自分の家に誘って聞き出してやろうと思った。
 夕方になった、俺は愛に話しかける。
「なぁ、俺の家で飯食わねぇ?」
「何か、今日は積極的だなぁ、少しはこのクラスに慣れたかな?」
「そう言う感じかな? 俺は、見た目悪いけど、中身はあまりワルく無いからな、どうだ? 食わないか?」
「良いねぇ、今日は晩御飯、どうするか、悩んでたんだよ、わりぃな」
 そう言いながら愛は立ち上がって、帰る支度をした。

「今日は何が食べたいんだ?」
 俺はそう聞くと、愛は言った。
「じゃあ、ハンバーグかな?」
「オッケ、急いで作るか……」
 俺の自宅に着いて、牛肉を少し弄って、タネにする、そして、玉葱をみじん切りにする。
 そしてすぐに作って、皿に盛り付ける、今回はチーズINハンバーグにしてみた。
「どうだ……?」
 他人にあまり食べさせた事が無い俺の手料理に愛は言う。
「あぁ、美味いぜ? お前、料理人になれるぜ?」
「そうか? 嬉しいぜ、俺はあまり食べささないからな、他人に……俺は母子家庭だからな」
「そうなんだ、俺もそんな感じ、母さんが死んだんだよ、病気で──父さんは島田m地の工場で頑張ってるよ」
「お前も大変なんだな……」
「お前こそ」
 そう言い合う内に家族の愚痴大会になった、その時は楽しかった、あの日が来る迄は……

 数週間が過ぎた頃、俺の見た目ヤンキー中身普通がバレ始めた頃……
「おいおい……こんな所に普通のガキが居るじゃねぇかぁ……」
 完全にヤンキーが俺の目の前に現れる、俺は本物は見た事無いので、少し怖気づく。
「見た目ヤンキーで中身普通の癖に本物語るんじゃねぇ!」
 そのまま殴られる、俺は格闘漫画仕込みの格闘スタイルの為、本物には手が出せない!
 すると、笑いながら、愛が現れた、もしかして、喧嘩する気か!? でも、怪我してまだ全快では──
 すると、目の前のヤンキー達が後ずさる、何でだ?
「おいおいおいおい……俺のダチに喧嘩売ったのか?」
 いや、ダチではないんだけどぉ……そう思う俺。
「な……何でこんな所に『怒羅魂』が居るんだよ!?」
 ……『怒羅魂』? それって有名グループの……
「そうだよ、『怒羅魂金武愚(ドラゴンキング)』現総長、愛飢夫だ、俺のダチに喧嘩売ったって事は──『怒羅魂金武愚』に喧嘩売った様な物と同じと取って良いよなぁ!?」
 そう言いながら、数人を纏めて殴る、そして全員は逃げる。
「これで良い、垣玖、これでもう絡まれないぞ?」
「……助かった……」
 俺はそれしか言えなかった……何だか助かった気がしなかったからだ。
 すると、愛は言ってきた。
「もしも現総長の事がバレたら、お前もボコボコにするからな? 頑張って隠せよ? 垣玖君?」
 ……マジかよ……!? 俺はコイツとまだ関わらないといけないのか……!?
 そう思うと大変だと思った、何で最初から無視しなかったのか……今更後悔しても遅い──俺はこの高校生活、コイツに脅かされながら、生活する事になるのだが……その話は何れ明かされるだろう……
 大変だ……

おまけ

名前は前回、あ、い、う、え、お、だが、今回はあ行、か行でした。

どみのさん、御久し振りです。
雑談板でお喋りしたかと思いますので、初めてでは無いかと。