コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まま自由な短編小説 『イベント期間中!』 ( No.128 )
- 日時: 2016/04/14 23:02
- 名前: 彩都 (ID: hAr.TppX)
『愛と憎悪は紙一重』
私の名前は淦佐(あかさ)、新婚一年目のサラリーマンだ、最近は、同僚の田奈(たな)と不倫をしている、勿論田奈にも結婚しているという事は秘密だ。
そして、妻は浜屋(はまや)という──夫婦別姓という物だ──そんな不倫している私の恐怖の一ヶ月を話そうと思う。
一日目 疑惑
あぁ、しまった、田奈さんの名刺と家迄の案内が書いた地図をスーツの内ポケットに入れたままだった、これでは、完全に妻にバレてしまう──急いで、スーツを回収しなくて……
そう思いながら、私は、急いで、家に帰った、スーツは三着あるので、毎日着回している、その一着が洗われずに自分の寝室にあったら、嬉しいのだが──だが、家について、見た所、もう遅かった、地図と名刺がベッドの上に置いていたのだ。
おっと、早く隠さないと、そう思った瞬間、妻が寝室に入った。
「何で、名刺と共に地図もあるの?」
「いや、前に飲み会があってね? その時に送った時のメモ、基家の地図なだけだよ、気にしないで?」
「そう、男って大変ね」
「あぁ、そうだろう?」
そんな会話で乗り切ったが、危うくボロを出しそうになった、危ない危ない、そして、時間は進む──
6日目── 焦り
おっと、そういえば、今日は妻の誕生日だった、プレゼントは買ったが、ケーキはどうするか、田奈さんに聞いてみよう。
「田奈さん、今日は知り合いの女子の誕生日でね、ケーキは何がいいと思う?」
「ケーキですか──無難にショートケーキ等は如何でしょう?」
「いや、その知り合いは、イチゴが嫌いでね」
「うーん、では、チョコレートケーキはどうですか?」
「あぁ、いいね、有難う、流石、私の彼女だ」
「えへへ、嬉しいです」
私は田奈さんの頭を撫でる、私は同僚であっても、私の方が年上なのだ、だから、妹の様な感じで接してしまう。
そして、ケーキを買って、家に帰った、そして、鞄に入れたクラッカーを取り出して、妻の前に鳴らした。
「わぁ、驚いた、覚えててくれたんだ、嬉しい!」
そのままハグをしてきた、私も逆に強くハグしてあげる。
今日は、色々大変だが、妻の笑顔で疲れが吹っ飛んだ、明日から頑張ろう。
19日目 田奈さんの家で
そういえば、田奈さんの家に泊まる約束があったな、妻には、『徹夜で帰れない』って言っておかなくては、そして言って、何とか、妻には寝てもらう事にした。
では、入口で待ち合わせている田奈さんを迎えよう、そして、出会って、一緒に田奈さんの家に向かった、だが、後ろで、誰かが写真を撮っている事に私は気付かなかった……
「そういえば、私と結婚してくれるんですよね?」
「えっ? あぁ、そうだね、でも時間が無いから、金も無いから、何れは、ね」
「嬉しいです、こんな優しいお兄ちゃんみたいな年上の人が居て……」
「そうかい? でも私は君より10も離れてるんだよ? それでも結婚とかしたいの? 同年代でも良いのでは?」
すると、田奈さんは言い返す。
「いえいえ、淦佐さんみたいな頼れる大人が女子は好きなんですよ、何だか『しっかりしている年上の男性』って女子は好きな人が多いんですよ」
「へぇ、勉強になった」
「でしょう? たまには若い女性の声も聞く事もお勧めしますよ?」
「私は君の声を聞くだけで幸せさ」
「そう言う意味じゃないですってばぁ〜」
そう言いながら、脱ぎ始める田奈さん、彼女はパジャマに着替える様だ。
私はお酒を飲んでいたので、朧気に見ていた、そして、着替えは終わって、田奈さんは寝てしまった、あぁ、私も寝ないとね。
そう思いながら、私もそのまま寝た、翌日、家に帰るのか、そう思うと、気が重い。
あぁ、お酒も飲み過ぎた様だ、完全にダメ人間だな、そう思いながら、妻にバレない様にしなくては、そう思いながら、仕事に向かった……
20日目 探偵って優秀
「ねぇ、これは何?」
家に帰ってから、いきなり写真を見せられる、昨日の田奈さんの家に向かった時の場面を写真に収められていた。
「えーと、彼女を家に連れていっただけだよ、酔ってたし」
「でも、素面だったみたいよ、彼女」
「それ何処ソース?」
「探偵に頼んだ」
……探偵、こういう時に優秀になるなよ……
「んで、何をしていたの、彼女の家で?」
また写真を出す、田奈さんの家に入る私が写っていた。
「……つまり、不倫って事でしょう? ちょっとこの女を呼んでよ?」
「えっ!? ちょっとそれは──」
「呼んで?」
怒気の篭る声で言ったので、仕方無く、私のこの家に呼ぶ事にした。
「どうしたんです、淦佐さん? ってこの人は……?」
「私は、この人の妻である浜屋です、何でこの人と付き合ってたの?」
えっと、直球過ぎます、浜屋さん……そう思いながら、妻と田奈さんの話を聞こう。
「えーと、私は淦佐さんの事が好きなんです! だから、別れて下さい!」
「何で? 別にアンタの物では無いし」
「でも、私は好きなんです!」
「それはこっちもよ」
「でも……」
「でもも無いわ、私はこの人と結婚しているの、何で別れないといけないの? 別れる原因作ったの、この夫よ?」
「確かにそうですけど……」
話が私に向かって無いかな? いや、そうだと思う。
そう思いながら、正座の私は待ち続ける。
「まぁ、何で不倫したか、話を聞かないとね」
「えっ? 私?」
「うん、そう、だから、何で不倫したか、話を聞きたい」
「えーと、彼女、つまり、この同僚の声が可愛いし、スタイルもいいし……」
「何だ、ただの声フェチかよ」
「そう言うお前は鎖骨フェチだもんな」
「うっ! うっさいわね! 誰が何を好きになろうと勝手よ!」
「だったら、声フェチも良いじゃないか」
「声フェチは気持ち悪い、太ももフェチよりも」
「あの、フェチの話ではなく、不倫の話では……」
田奈さんが話を止めた、ナイス。
「でも、不倫したのは、ダメね」
「そうですね、私にも『妻は居ない』って言ってたのに……」
「えっ? そうなの? 何て酷い夫なのかしら? 二人でボコボコにしません?」
えっ?何!? 私は二人に処刑されるのか!? 何で!? 田奈さんも乗らないで!
「そうですよねぇ……浜屋さんでしたっけ?」
「えぇ、アンタの名前は?」
「田奈です」
「そう、田奈ちゃん、こんな所に鉄バットと木製バットがあるけど、どうする?」
「では、木の方で、浜屋さんは鉄でボコボコに」
「OK、では、木製を渡すわ」
「ちょっと待て、最悪死ぬぞ、私が」
そう言うと、二人は言った。
「貴方は、それ程の罪を犯したのよ?」
「そーですよぅー? 二人の女の心を踏みにじった罪、バットで償って下さいね?」
「おいおいおいおい、マジで?」
そして二人は声を合わせて言った。
「「マジです」貴方」
「ちょっ!? えっ!? うわっ! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」
27日目 痛覚覚醒
「痛い痛い……」
そう言いながら、私は白い病院の、白いベッドの上に寝転がっていた、私は、少し溜息を吐いてから、深呼吸に移動する、さて、私がボコボコになった後の話をしよう。
あの後、本当にバットでボコボコにされた私は、何とか一命を取り留めた、だが、打撲が酷いだけ、という判断だった、まぁ、妻も田奈さんも正当防衛の様な物で刑務所から逃れたのだが。
まぁ、それで、不倫がバレたので、会社はクビになった。
まぁ、自分が悪いのだから仕方無いのだが、そして、私は妻と離婚する事にした、そして、田奈さんにも逃げられた。
全てが全て、自分が悪い、『女って怖いなぁ』、とそう思った瞬間、突然、私の病室に入る者が居た、入ってきたのは、元妻と田奈さんだった。
「あっ、元気ですか?」
見てみろ、足も肋骨も骨折させられて、『元気です』、『大丈夫だよ』って言えるか?
「あっ、そうそう、アンタに話があるの」
おいおい、結構痛い目に逢わされて、それでもまだ、何か話があるのか?
「うん、結構重要な話、慰謝料頂戴?」
「あっ、それ、私もです」
二人して、慰謝料請求かよ……私は溜息を吐いてから、言った。
「もう、女には関わらねぇぇぇぇ!!」
そう大声で言った瞬間、元妻に殴られる……
30日目 無職
はい、現在無職です、お金も貪られた、あの悪魔に……
まぁ、自分が悪いんです、うん、そうしよう、そう思いながら、窓から見える空を見た、空は何時見ても美しいなぁ、そう思いながら、骨折していない右手で、飲み物を飲んだ……
まぁ、これが私の恐怖の一ヶ月だ、まぁ、自分的に結構酷い所を浮き彫りにしてみたが、これでどうだろう? 女の恐怖を感じれていたら私は嬉しい。
まぁ、世の中の男性はこれより軽いと思うが……これを見ている男子に言っていく、不倫だけは絶対するな、それだけが私の経験の中で言える事だ。
という事で私は、新しい仕事を探すべく頑張るか……くれぐれも男性諸君は女性を怒らせない様に、不倫しない様にしておけよ? これは経験者の俺の忠告だからな……ちゃんと肝に銘じていけよ……またな、これで俺の経験談は終わりだ、また話せる日が来るといいな、ではまた。