コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まま自由な短編小説 『お題募集中!』 ( No.65 )
- 日時: 2016/03/03 16:06
- 名前: こん (ID: EOhOGqBm)
お題:猫と猫 (火野カフカ さん)
第12話「猫と、猫パンチ」
「ギニャー!!」
「ニャァア!!」
バシッ。バシッ。
学校からの帰り道。
そんな音が聞こえた。
「…?」
音の方を見ると、近くの塀の上に2匹の猫が毛を逆立てて向かい合っていた。
「…喧嘩?」
猫パンチを繰り出したり、相手を塀の下に落としたり。
落ちてもまた上に来て掴みかかったり。
サイズはほぼ同じくらいだ。
力もたぶん同じくらい。
一方は綺麗な白猫で、もう一方は見事な黒猫だった。
「…。」
喧嘩って猫もするんだな。
まあ、そりゃあそうか。
俺も、さっき喧嘩した。
相手は中学の時からの友達。
かれこれ三年の付き合いになる彼とは、冗談で何でも言い合える仲だった。
でも、今日だけは違う。
お互い、どうしても譲れなかった。
放課後の教室で言い合いになった。
そして俺はさっさと学校を後にした。
「…ニャァ!!」
「シャー…!」
猫も疲れるんだ。
今初めて知った。
お互い肩を少し上下させ、繰り出すパンチはさっきほどの威力がなくなっていた。
「…ニャー。」
そしてついに、白猫が座り込んでしまった。
「…わ。」
座り込んだ白猫に、辛うじて動ける黒猫が近づいていく。
白猫の、負けか…?
そう、思った。
しかし。
「ニャア。」
黒猫は白猫の隣に座って、白猫の毛を舐めた。
「ニャア。」
白猫も黒猫の毛を舐めた。
「…。」
俺は立ちすくんだ。
こいつら、今さっきまで殴り合ってたよな?
いまいち信じられず、毛を舐め合う2匹を数分見ていた。
ふと思って鞄から携帯を取り出す。
「…よし。」
メールを打った。
宛先はさっき口喧嘩した友人。
『公園に来い。』
そう打って、携帯を鞄にしまう。
一つ、伸びをした。
それからもう一度2匹の様子を少し眺めてから、公園に向かう。
拳を、強く握りしめた。
ちゃんと、喧嘩してやろうじゃないか。
そして喧嘩した後は、
傷だらけの顔で笑い合おう。
《作者コメント》
今までお休みをいただきすみませんでしたm(_ _)m
またボチボチ書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。
火野カフカさんからのお題、「猫と猫」より書かせていただきました。
猫の存在感がちょっと薄かったですかね?
カフカ!
遅くなってごめんね。
また良かったらお題下さい!