コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

☆1/恋人ですがなにか? ( No.2 )
日時: 2016/02/13 00:03
名前: 雪ウサギ (ID: pR7JxfSl)


4月

入学式。

期待に胸を踊らす新入生達。

心なしか表情は柔らかく、今にも騒ぎだしそうにそわそわしている。

キョロキョロと辺りを見渡す者、嬉しそうに友達と話している者。

辺りはそのような人達で溢れかえっている。

その中で、視線を集め、一際目立つ二人組がいた。

「人多くね?」

「当たり前。今日は入学式だよ。」

誰もが息を呑むような顔立ちの美男美女。

周りにいる人達がカメラを手に取りシャッターを切っている。

男の方は茶色の髪に、前髪をあげていて、綺麗な茶色がかった瞳。身長は恐らく170は越えているだろう。がたいがよく、切れ長の目は笑うたびに細められ、周りからはキャーという甲高い悲鳴が止まらない。

それに比べ、女の方は濃い黒の肩まであるであろう髪をポニーテールに結んでいて、前髪はオン眉。身長は小さめで160いってるかいってないかぐらいだ。スカートからは白く細長い足が見えている。華奢な体で、目はたれ目気味で笑うたびにウォー!とイカツい声が学校中に響く。

新入生達は二人に目が釘付けだった。

「はいはーい!バッジを付けたら体育館に移動してねー!」

そんな新入生達に慣れているのか、女子生徒が指示を出す。

しかし誰一人として動く者はいない。

「今なら体育館に行くと二人と写真とれるよー!」

その言葉で動きだす新入生達。

我先にと体育館に向かっている。

叫んだ女子生徒は満足気に笑っていた。

「は…?」

「意味わかんないんだけど。」

唯一、場を飲み込めていない二名。

二人はゆっくりと女子生徒に詰め寄る。

真夜まや、どういうつもり?」

新垣あらがき。理由によっちゃあ、しばくよ?」

美男美女に詰め寄られ、妙にある迫力に女子生徒は怯える………そぶりも見せずにニッコリ笑って

「いってらっしゃい。文句なら間宮まみやによろしく。」

間宮と呼ばれる男子生徒を指さしながら言った。

「えっ!?ちょ、新垣ぃ!?」

顔を真っ青にする、とばっちりを受けた男子生徒。

「「覚えとけよ。」」

彼は二人の低い声に顔をひきつらせた。

スタスタと体育館に向かって歩いていく二人の後ろ姿を見ながら呟く。

「………そんなぁ。」

彼の後ろでは元凶の女子生徒、新垣 真夜が腹を抱えて笑っていた。