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恋人ですがなにか?part2 ( No.3 )
日時: 2016/02/13 14:10
名前: 雪ウサギ (ID: pR7JxfSl)

「あー、だるい。間宮め」

「クソゆき。覚えとけよ」

「そもそもあんたが外にでるとか言うからこうなったんじゃん」

「あぁ?俺はこれ以上お前がデブらないように言ってやったんだけど?」

「はっ。余計なお世話。私まだデブじゃないから」

「てめぇの目腐ってんじゃねぇの」

「私がデブに見えるあんたの目が腐ってるんじゃない?」

「黙れブス」

「黙れゴミ屑」

いい愛…おっと間違った。
いい合いをしながら体育館に向かう二人から少し視線を外せばしっかりと握られている手が目に入る。

「晴臣」

「んだよ、弥生」

「他の女にデレデレしたらぶっ飛ばすから」

「嫉妬深いねぇ。俺の弥生ちゃんは。」

「うるさい。」

「弥生。」

「何。」

「俺以外の男にデレデレしたら殺すから」

「物騒だね、私の晴くんは。」

「そんな俺がお前は大好きだもんな。」

「まぁね。そういうあんたも私が大好きなんでしょ?」

「まぁな。ぜってぇ離さねぇから。逃げさせてなんかやらねぇよ。」

「私だって離れてやるもんか。」

二人は見つめ合って笑った後、繋がれた手を離すことなく体育館に入る。

体育館の扉を開けば甲高い悲鳴と低い雄叫びが体育館を支配する。

一瞬二人は顔をしかめたが次の瞬間には満面の笑みを顔面に張り付けていた。

止むことを知らない悲鳴に新入生以外の生徒は苦笑いを溢しながら耳を塞いでいる。

「写真撮ってくださぁーーい!」

「一緒に撮らせてくださいっす!」

「ちょ!私が先よ!何よあんた!邪魔!」

「おい!てめぇ順番だぞ!どけ!」

二人の前には沢山の人だかり。

「………………あのー。えっと…。」

案内係の声は響かずに悲鳴と雄叫びに消されていく。

それを見かねて行動したのは女、弥生の方だった。

「あの。君たち新入生かな?並んでくれると助かるなぁ!ね?お願い」

語尾にハートがつきそうな甘い声にキュルルンと効果音がなりそうな満面の笑み。

新入生達(主に男子生徒)の中は鼻血を出してしまう人もいた。

『わかりました!』

1/2の人がその声と同時に用意された椅子、自分の座るべき場所に戻る。

男、晴臣はそんな彼女を睨みつけたかと思えば

「元気な新入生達だな。俺、入学式楽しみだったんだ。早く始まらないかな?ね?君たちも席に座らない?」

男さえも赤くなってしまうほどのあまーい声、糖分100%の声に残りの生徒は静かに席についた。

中には腰が抜けて立ち上がれない子もでたほど、彼は甘い声を出したのだ。

横では彼女が睨んでいる。

「…………ぶっ飛ばす」

「…………あとで殺すぞ?」

そんな短い会話はマイクの音に遮られ響く事はなかった。

離す素振りを見せない手。

いつの間にか二人の後ろにいた間宮 膤と新垣 真夜が顔を合わせながら笑っていたのは言うまでもない。