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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 観覧車。短編集】突破200さんきゅ&短編合作しませんか? ( No.43 )
- 日時: 2016/03/15 19:00
- 名前: 湯呑ゆざめ (ID: HT/LCIMm)
≫彩づく季節に振り返らないで。
まったく、「親友」というレッテルは迷惑このうえないものだ。
それだけで恋愛対象外なのだから。うっかり、恋に落ちたりしたりして。いや、うっかりでなくしっかり恋をしているけど。
当分はこの関係でもいいか、なんて思ったりしてる。そんな矢先に彼は
「なあ夏樹、俺さ好きな人できたんだ。」
嘘でしょ?私は動揺を隠して「ふーん、で?」とだけ答える。
「やっぱ、本気で好きなんだよ、って俺すげー変な事言ってる?」
変も何も傷つく…なんて言えない。
「可愛いの?」
「うん、俺の部活のマネ。」
「あ〜なるほどね、」
サッカー部のマネちゃんは確かに可愛いけど、かなり小悪魔みたい。
言わないでおくけど。
「で、最近めっちゃ良い雰囲気でさ今呼び出してあんだよね。緊張〜」
「いってら。まあ頑張れ」
無愛想にそういうとにこっと少年みたいに笑って、
「やっぱ、お前は最高の親友だわ〜」
また、気持ちを閉じ込めた。彼は駆け出す。
小さく、背中に言ってみる。
「そっか、私も。がんばってきな。」
彼は一瞬立ち止まるけど。
切なくて溢れ出た涙で濡れてた泣き笑いはきっと不格好で、見られたら
きっと、この関係は終わってしまうから。
どうか、振り返らないで進んでね。
キミの告白がうまくいくよう「親友」として待ってる。
いつまでも、背中を追っていたけどふと我に帰って瞬きしてみる。
私の世界は君と相反するように色彩がないように思えた。
キミはもう振り返らない。
end
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